【新連載】マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界 名店再現系の「元祖3品」、お店と比較してみた
「一風堂」...なめらか豚骨スープに辛味噌と黒マー油のアクセント
「一風堂」は、福岡市に本店のある、博多ラーメンの名店です。すみれと同じくラーメン博物館に長く出店し、今や全国、世界各地に展開する、博多ラーメンの枠を超えたお店となっています。
お店のラーメンは、創業から味を引き継ぐ正統派とんこつラーメンの「白丸元味」と、「白丸」をベースに辛味噌や黒マー油を加えた「赤丸新味」の2枚看板で、カップ麺では「赤丸新味」を再現しています。
臭みのない豚骨スープで、キメの細かいなめらかさはお店をよく再現しています。まろやかなスープに辛味噌と黒マー油がアクセントとなって、スープの味が変化するのを楽しむことができます。また、お店の「赤丸」を再現した角麺が用いられており、麺に力強さがあるのも大きな特徴と言えるでしょう。
一方で、お店の「赤丸」には結構たくさんの粒状の背脂が浮いているのに対し、カップ麺では目に見える背脂は浮いておらず、スープのこってり感ではやや劣り、お店の一杯に比べて、なめらかな豚骨スープがより強調されているように感じました。
「すみれ」がガッツリ系の力強い味に重点が置かれているのに対し、「一風堂」は広い購買層に訴えかける飽きない味を目指しているような印象で、同じシリーズの商品ながら方向性がまったく違うところがカップ麺として長く続いている要因のひとつなのかなと思います。