【新連載】マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界 名店再現系の「元祖3品」、お店と比較してみた
「山頭火」...甘みのある豚骨スープを忠実に再現
「らーめん山頭火」は、北海道旭川市に本店のある旭川ラーメンの名店です。旭川ラーメンといえば、魚介の効いた醤油味のスープに低加水麺を合わせたラーメンというイメージがありますが、「山頭火」のラーメンは豚骨ベースの「しおらーめん」が主力。カップ麺でも「しおらーめん」が再現されています。
北海道と関東を中心に国内にお店を構える一方で、海外にも多く店舗を展開しているのが大きな特徴で、特にアメリカとカナダを合わせて20ものお店があります。
「山頭火」の「しおらーめん」は、豚骨スープに練りごまの自然な甘みを感じるのが特徴です。スープ表面にたくさんの油脂が浮き、決してあっさりではないのですが、とにかくやさしい味です。カップ麺でもそのやさしさが忠実に再現されており、スープ再現性では今回の3品でいちばんなのではないかと思います。お店のラーメンでも使われている小梅がのり、見た目にもやさしい一杯です。
お店では、とろ肉と呼ばれるやわらかいチャーシューが使われていて、これがやさしくて甘いスープと好相性なのですが、さすがにとろ肉の再現は難しいようで、やさしいスープととろ肉のマッチングは楽しめません。ただ、使われている大判の乾燥チャーシューは肉感たっぷりで、カップ麺としてはとても良くできています。