「埼玉県民の『隠れ郷土愛』をくすぐりたい」 まさかの映画化「翔んで埼玉」、監督&原作者インタビュー
2019.02.02 12:00
武内監督「さじ加減を探る作業がすごく大変」
武内さん「埼玉県の人を怒らせちゃいけないなと思って。それが第一にあったんで徹底的に埼玉の知り合いとか何度も埼玉に行って酒飲んで、こういう話があるんだけどどう思いますかみたいな調査をしました。
後、埼玉新聞の方にもサイタマニアの人にも会って、この辺は大丈夫だ、これ以上やるとマズいって。その辺のさじ加減を探る作業がすごく大変で。あっちこっち行きました、埼玉は。住みやすいなって話も実感していて、そういうところにもっていけると話が成立するかな。後、横のつながりがない。路線によってみんな文化ができているから。でもみんな池袋に集まって。ただ他の路線のことはあんまり分からない」
武内さんの言う通りだ。現に筆者も20数年を埼玉で過ごしているが、他路線の地域はあまり分かっていないのだ。
県内各所を回った武内さん。「住みやすいって話を実感」というが、どこが実際良かったのか。
武内さん「浦和とか大宮とか。後、戸田公園あたりも、自然がいっぱいあるし、マンションもいっぱいあるし。浦和美園とかもね。結構良いマンションが安く売り出されてたんで、モデルルーム見ましたよ。イオンもあるしね。便利で安いし、都心も一本で出れるし」
とても「翔んで埼玉」の監督とは思えないほどの高評価をくだしている。
次は魔夜先生に、漫画を描いた当時の埼玉県のバカにされ具合について聞いた。
魔夜さん「蔑まれているなと考えたこと、感じたことはないです。ただ、埼玉県の人が本当は東京に住みたいんじゃないかなと、感じたんです。本当は所沢より赤坂に住みたいんじゃないかと。そういう空気感を何となく感じたんで、こういう作品になったんだと思います」
図星だ。筆者も大阪府庁近くのマンションに入居したとき、他所から馬鹿にされない安心感と快適さに酔ったものだ。