極寒の有明海で「一人ガタリンピック」挑戦! 寒さに負けて即挫折→凍える記者を救ったのは...
ガタリンピックをやってみたい
初上陸した佐賀県。さっそく、今回の目的地であるガタリンピック会場へ向かう。佐賀空港から車で1時間ほど。鹿島市にある「道の駅鹿島」である。
ここの裏手にある干潟が、毎年ガタリンピックの会場になっている。裏に出るため店内を通り、店員に「ガタリンピックがしたいのですが...」と告げると、「恐れ入りますが、例年ガタリンピックは5月開催、干潟体験も4月中旬から10月までとなっております」とのこと。いや、そんなことは分かっている。記者の熱意を感じてもらいたかっただけだ。
折角ここまで来た。引き下がるわけにはいかない。
というわけで、一人ガタリンピックを決行することにしたN記者、29歳、既婚。精神年齢はいまだ10代気分、豊かな生活に向けて日々泥の中をかけずり回るハングリー精神の持ち主だ。
鹿島市の気温は14度。北関東の豪雪地帯で生まれ育った記者にとっては、常夏のような気候だ。さあ、出陣しよう。みるみる潮が引く有明海。これならどこまでも遠くへ行けそうだ。用意、スタート!
しかし――、思いのほか海水が冷たい。ちょっと冷たすぎる。
我が身大事さなのか、身体が反射的に走り出してしまった。おかしい。デスクで日々妄想していた、あの楽しそうなガタリンピックはどこに。気持ちばかりがはやっていたが、やはり12月にガタリンピックをやってはいけない。100%体調を崩す。
本当に寒い。そもそも誰も見ていないし、なぜ自分ははるばるこんなところにまで来て、短パン半袖で冷水に浸かっているのか。もう、このまま帰ろうかな――そう思いかけた記者の元に、
「そこの君!!」
そんな声が飛んできた。
謎のおじさん「一人でなにやってるの?」
記者「いや、1人でガタリンピックを...」
謎のおじさん「変わってるねえ...。寒くない?」
記者「めっちゃ寒いです」
謎のおじさん「いいところがあるからついておいで」
さらわれる子猫のように謎のおじさんの後に続く記者。てか、なんでこの人「いちごさん」と書かれた法被を着ているのだろうか。
何の変哲もない乗用車の前に案内された。謎のおじさんは手に何か持ちながら佇んでいる。
謎のおじさん「佐賀県首都圏事務所のMです。君、寒そうだからこの辺りで体の芯から温まれるスポットを案内してあげるよ」
記者「はあ、ありがとうございます...」
と、かなり強引なMさんに連れられて、記者は道の駅鹿島を後にした。