下の画像を見てほしい。昭和時代に、町の映画館に大きく掲げられていた看板のようで、どこか懐かしさを感じる人が多いのではないか。 画像はプレスリリースより これは、「晴れの国」こと岡山県が公開しているPR動画の宣伝だ。岡山県は「ハレウッド映画」と題して、この2本以外のほかにもPR動画を公開している。 「♪ひだりにひろしまかきまして みぎにひょうごをかきまして...」 「ハレウッド」とは、岡山県が映画の都である「ハリウッド」さながら雨が降りにくい「晴れの国」であり、映画のロケ地となることが多いことから生まれた造語だ。 岡山県は1989年からこの「晴れの国」という名前を使用しているが、公式サイトでは、 「岡山県内の認知度、ほぼ100% 県外での認知度、ほぼ0%」 とあり、「ハレウッド動画」を通じて、その認知度を高める狙いもあるようだ。 2018年1月19日に公開されたのは、移住をテーマにし、「シン・ゴジラ」のオマージュと思しき「コチラ」篇と、企業誘致をテーマとし、「男はつらいよ」の寅さんのような人情味を感じさせる「世界でいちばん『いいね』のまち」の2篇だ。 これに先がけて、17年9月1日には第一弾として、ゾンビ映画をモチーフにした「The Land of Sunshine」篇と、恋愛映画をモチーフにした「LOVE & PEACH」篇を公開。どの動画にも、監督には岡山県倉敷市出身の俳優・前野朋哉さん(32)を迎えている。 「彼に知らせるのよ、岡山県はコッチーラだって!」 今回公開された「コチラ」は、開始早々緊迫した雰囲気で始まる。 円卓を囲んだ職員役の人々が、徐々に西へ進行してきている巨大生物への対処を考えている...と思いきや、 「予想される移住先は」 と一言。職員の一人が「ここ、岡山県です」と言い、一同は「おぉ~」と驚く。その後、緊急会議のような真剣な雰囲気の中、岡山県は広い土地があり、家賃も割安で交通の便も良いことなどを引き合いに、移住するには素晴らしい都市であるとアピールが行われていく。 すると、巨大生物が瀬戸内海に侵入したことを知らせる音が会議室に鳴り響く。しかし、巨大生物は岡山県の位置が分からず瀬戸内海で狼狽していることが明らかに。職員一同は悔しがりながら方策を探ろうとすると、一人の女性が、 「コッチーラ!(編注:「こちら」の意味だと思われる)彼に知らせるのよ、岡山県はコッチーラだって!」 と叫び、唐突に「岡山県のえかきうた」を歌い始める。この歌詞も斬新で、 ♪ ひだりにひろしまかきまして みぎにひょうごをかきまして うえにとっとり そのよこしまね うみをはさんでうどんけん あっというまに おかやまけん と、岡山県の周辺の県を描き続けるばかり、岡山県そのものの描き方については何も伝えていないという1曲だ。ただその甲斐あってか(?)きちんと伝わったのだろう、カナダ出身のブレイズ・ダニエル氏扮する「巨大生物」が無事に岡山県へ来ることが出来た...というストーリーとなっている。 「PR動画の雰囲気などを考慮して...」 このような「攻めた」PRは今に始まったことでは無いと岡山県総合政策局公聴広報課の総括参事を務める山田威夫(やまだ・たけお)さんは2018年1月26日のJタウンネット編集部の取材に語った。 「13年度から毎年、PR動画の公開を行ってきておりまして、14年には『もんげー岡山!』をテーマに、もんげーもんげー、岡山岡山、と連呼するような動画も作りました」 「もんげー」とは岡山弁で「ものすごい」などを意味する言葉だ。 ただその後、有識者から「あまり『商品名』を連呼するのは逆効果」との助言を受け、18年1月に公開した動画においては安直に岡山の名前を出さない、若干テイストを変えたものにしたのだという。 PR動画の看板を模した画像が昭和ノスタルジアに満ち満ちていることについては、 「PR動画の雰囲気などを考慮して、昭和の雰囲気のものにしました」 と述べた。