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「井の頭池の水」ぜんぶ抜く スタートから4年、在来種が順調に回復

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.01.15 20:00
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2018年1月13日~14日にかけて井の頭恩賜公園で「井の頭かいぼり祭」が開催された。「かいぼり」とは農閑期にため池の水を抜き、池を干す管理作業のことだが、最近は公園などの池で水質改善や外来種駆除を目的に行われる例も増えている。2017年からテレビ東京で不定期放送されている番組『池の水ぜんぶ抜く』を思い浮かべる人もいるだろう。

ただし、井の頭池のかいぼりは同番組の企画というわけではない。「豊富な湧水に支えられ多様な水生生物の生育していた井の頭池を目指す」として東京都が主導し、市民ボランティアの協力のもと、2014年から2年おきに行われてきた。

スワンボートは陸揚げに(Richard, enjoy my life!さん撮影, Flickrより)
井の頭池

なんとスッポンが生息

「井の頭恩賜公園 100年実行委員会」の公式ブログによると、池の水をポンプで抜き始めたのが2017年12月26日。井の頭池は「お茶の水池」「弁天池」「ボート池」「ひょうたん池」の4つの池から構成されており、神田川につながっているひょうたん池を通して排水していく。

そして、ある程度水位が下がった1月13日~14日時に、市民ボランティアによって水生生物を捕獲する「おさかなレスキュー隊」が実施された。すでに同公園の一大イベントとして認知されているようで、ツイッター上にはかいぼりを見かけた人や参加者と思われるユーザーから、その様子が投稿されていた。

もちろん単に魚を捕まえるだけではなく、外来種と在来種に分類し、かいぼりによる生態の変化も調査する。「100年実行委員会」の発表によると、両日の捕獲結果は在来種が10種2859匹、外来種が8種489匹で、「前回のかいぼり後に回復した在来種が確認されている」とのこと。在来種の中には野生種の減少が報告されている「ニホンスッポン」も5匹含まれており、井の頭池の生態系が変化しつつあることを伺わせる。

外来種に関しては、善福寺川などでも見かける「ブルーギル」は98匹と根強く残っているようだ。東京都西部公園緑地事務所に確認したところ、「成魚は捕獲できても稚魚が捕獲しきれておらず、それが成長している可能性が高い」とのことだった。

「外来種の抑制や在来種の保護、水質改善などかいぼりの効果は確実に表れており、今後も継続的に実施したいと考えています」

一般参加が可能な魚の捕獲イベントは今回で終了だが、池干しを行う3月4日まで池の底を歩ける「キミも"池底人"になろう! いのかしら池底ツアー」や、湿地の整備、ゴミ拾いなどを行う「かいぼり隊の任務をお手伝い! チョコッとかいぼり隊 池底編」なども定期的に開催される予定だ。「ぜひ水を全部抜いた池を踏みしめてみたい」という人は、参加してみてはどうだろうか。

ちなみに、池干し期間中はスワンボート(貸しボート)が陸揚げされている珍しい姿を目にすることもできる。

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