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「この世界の片隅に」の聖地...呉の旧家の特別公開に応募者相次ぐ

ご当地テレビ視聴隊

ご当地テレビ視聴隊

2017.03.04 07:26
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公開 登場する住宅の中へ・映画「この世界の片隅に」

映画「この世界の片隅に」で、主人公すずが買い物に行くシーンで、背景に描かれている江戸時代の商家、旧澤原(さわはら)家の三ッ蔵。

現在も呉市長ノ木町に、国の重要文化財として当時のままの姿を残し、聖地として人気スポットです。

呉市ウェブサイトより
呉市ウェブサイトより

映画の大ヒットを受け、呉市がこの建物の特別公開を企画したところ定員の8倍も超える応募があり、急きょ見学会の回数を増やして応募者全員が参加できるようにしました。

60年前、呉市に嫁いできた高橋節子さん82歳。

特別公開が決まると、いち早く見学会に応募したといいます。

「倉橋島出身だけど、映画と同じような戦争で飛行機がたくさん来ました。機関銃で撃たれた人がたくさんいたのは見ました。子どもの時から。映画は感動しました」とのこと。

「野菜を炊いたり台所を使ったり、映画のシーンを見ても懐かしいと思っていたから、澤原さんの家も一緒だったんだねと思って見ました」と高橋さん。

柱や縁側などから長い歴史が感じられる、旧澤原家住宅の古い家屋には、1756年に建築されたものも現存しています。

広島藩主が視察中に、休憩所として使ったという記録が残っているそうです。

特別見学会には、全国から多くの人が参加しました。

滋賀県から参加した男性は、「実際にすずさんがこの前を歩いていた実物を見て、すごく感動しました」とのこと。

呉市から参加した女性は、「中に入れることを楽しみにしていたので、きょうは感動しました。お殿様が過ごされた畳の部屋にあがらせて頂けるとは思っていなかったので、いい時間を過ごせました」とうれしそうでした。

見学会が終わると参加者にはアニメのイラストが入った見学証明書が交付され、節子さんも2年前に亡くなった夫に思いをはせていました。

「主人がいたら感動したのではないかと思う。映画がほんとに主人が話していたのと同じ(光景)でした。本当に戦争は二度とない方がいいです、平和な世界になってほしいです」

と語っていた節子さん。

呉市は、今後も要望に応じて旧澤原家住宅を公開するか検討していくということです。

戦争のない世の中が続くことを願う人々の思いをつなげていくためにも、この取り組みが実現することを祈りたいですね。(ライター・石田こよみ)

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