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島の魅力をギュッと凝縮! 香川県小豆島の「オリーブ生そうめん」

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2016.07.13 17:21
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■小豆島のそうめん作り

小豆島でそうめん作りが始まったのは、1598年ごろと言われています。産業を支えていたのは農家の人々。彼らは春から秋にかけて農作物を作りますが、冬になると仕事がなくなるので、本来は漁に出たり、石切場に出稼ぎに行ったりしなければなりません。そこで、自宅にいながらできる、そうめん作りを営む農家が増えていったそうです。

中武さん「そうめんは伸ばした麺を天日干しして作ります。だから晴れの日が多く、湿度や気温が低い冬が一番白くきれいにできあがるんです。明治時代の終わりには、小豆島にはそうめんを作る農家が650軒もあったそうですよ」

そうめんはハタという道具を使って乾燥させます。
そうめんはハタという道具を使って乾燥させます。

中武さんはその道30年以上のプロフェッショナル。高校生のときには、すでにそうめん作りに関わっていたそうです。

中武さん「昔、そうめん作りは家内工業でしたから、家の手伝いをしないと晩ごはんを食べられなかったんですよ。当時はイヤイヤやっていた気もしますけどね(笑)」

やがて家業を継ぎ、工場を構えた中武さん。若いころからチャレンジングな試みを続けてきました。そのひとつがオリーブ生そうめん。なかでも大変だったのが、原料となるオリーブの確保でした。

中武商店の工場。職人たちが手作業でそうめん作りに励んでいます。
中武商店の工場。職人たちが手作業でそうめん作りに励んでいます。

中武さん「最初は小豆島産のオリーブがなかなか手に入らなかったんです。そこで外国産を使ったのですが、お客さんにしてみればオリーブの産地で作っているんだから、当然使っているのは小豆島産のオリーブだと思うでしょう? だから一度やめたんです

小豆島産オリーブは生産量が少なく希少品。その確保のために、自社のオリーブ農園「なかぶ園」を造ったというから驚きです。今から11年ほど前に木を植えて、実が採れだしたのが5年後。そこから農園のオリーブを使ったそうめんの製造を再開したそうです。

中武商店謹製のエクストラバージンオリーブオイル。麺に塗るだけでなく、数量限定で販売もしています。
中武商店謹製のエクストラバージンオリーブオイル。麺に塗るだけでなく、数量限定で販売もしています。

そんな自らのそうめん作りを振り返って、中武さんは伝統的なそうめんを作っているのが一番楽だとしながらも、「小さな革新」を続けていくべきと語ります。

中武さん「伝統産業は何百年も続いていますから、技術的にはだいたい完成されているものです。でも、人の好みは時代とともに変わっていく。あまりにも固執すると、他の新しい産業に押されて伝統産業は衰退してしまいます。だから100人が100人ともやる必要はないけれど、何人かは新しいものにも挑戦しなければと思うんです」

二代目の中武義景さん。
二代目の中武義景さん。

オリーブ生そうめんが内に秘めるのは、生そうめんとオリーブという2つの革新。伝統の先に踏み込んだ、小豆島ならではの一品なのでした。

そうめんやオリーブ以外にも、小豆島には楽しみがいっぱい。特に2016年は3年に1度開催される「瀬戸内国際芸術祭」イヤー。あのビートたけしと現代美術作家のヤノベケンジが共作した巨大彫刻をはじめ、島の各地に点在する現代アートを存分に鑑賞できるチャンスです。この夏、小豆島を訪れる方は、さわやかなそうめんで涼をとるのはいかがでしょう?

店舗情報

● なかぶ庵

住所:香川県小豆郡小豆島町安田甲1385

電話:0879-82-3669

営業時間:10:00〜15:00LO(月曜休、祝日の場合は翌日火曜休)

http://www.shodoshima-nakabuan.co.jp/

※記事中の情報・価格は取材当時のものです。

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