島の魅力をギュッと凝縮! 香川県小豆島の「オリーブ生そうめん」
■自社農園のオリーブをぜいたくに使用!
なかぶ庵は小豆島そうめんを製造する中武商店の直営施設。乾燥中のそうめんがくっつかないように箸で離す“箸分け”体験や食事、買い物を楽しめます。
案内してくれたのは、二代目の中武義景さん。昼どきになると島に来たビジネスマンやファミリーが訪れる食事スペースでは、スタンダードな白色の生そうめんかオリーブ生そうめんをいただくことができます。生そうめんとは、伝統的な乾麺のそうめんに対して生麺のそうめんのこと。できたてのオリーブ生そうめんを、早速いただいてみましょう!
オリーブの実と同じ緑色の麺が、華やかさを醸し出す一品! 氷が添えられており、とても涼しげです。
中武さん「小豆島の自社農園で収穫したオリーブをふんだんに使った生そうめんです。麺には100%のオリーブ果汁が練りこんであり、さらに表面にエクストラバージンオリーブオイルを塗って作ります」
そうめんにエクストラバージンオリーブオイルを塗るとは意外な製法! でもこれは、昔から続く製造工程を応用したものなんです。一般的なそうめんは麺生地を熟成し、紐のように細く伸ばす作業を繰り返して作っていきます。その工程で“油返し”という麺の表面に食用油を塗る作業があるのですが、オリーブ生そうめんはそこで油の代わりにエクストラバージンオリーブオイルを塗布しているのです。
中武さん「油は麺を乾かすときに保湿の役目を果たしてくれます。あまり急激に乾くと、ひびが入ることもありますからね。ゆっくり乾くことで荒れずに、つるつるに仕上がるんです」
ちなみにエクストラバージンオリーブオイルは、最高等級のオリーブオイルのこと。オリーブの実を絞って得られたオイルのなかでも酸度が低く、特に品質が高いと認められたもので、豊かな香りを誇ります。何ともぜいたくですね!
そんなそうめんに合わせる薬味は万能ねぎとしょうが。かつおだしのめんつゆで、シンプルにいただきます。キュッと氷で締められた麺を一口すすれば、これが普通のそうめんでないことは明らか。その細さとは裏腹にうどんのようなモチモチした弾力があって、においも何だか香ばしい!
中武さん「生そうめんならではの味わいです。みなさんが夏に食べる乾麺のそうめんは、一般的に冬に製造されています。できてから食べるまで半年くらい間があるので、水分はさらに抜けて、香りや風味が薄れた淡白な味わいになるんですね」
それはそれで、あっさりしたものを食べたいという夏のニーズに合っていると言う中武さん。一方で、生そうめんは生麺ならではの良さがあります。
中武さん「作りたてで生だから、みずみずしくモッチリとして、小麦の香りも残っているんです。それにオリーブの果汁を練りこんだことで、風味も少し変わっていると思いますよ」
豊かな食感とさわやかな味わいが同居しているのは、オリーブ生そうめんならでは。夏らしいさわやかな一品でした!