国立競技場の跡地前で、生ガキをドロッと垂らして食べてみた【現場2015】
2015年も残りわずか。思えば今年も、さまざまなニュースが世間を騒がせた。そこでJタウンネットは一年の総まとめとして、ニュースの「現場」を再訪することにした。あの場所、いまどうなってるの? ――そんな好奇心に忠実となって、記者は飛ぶ。
この1年を象徴するスポットとして、国立競技場は外せない。つい先日、隈研吾氏と大成建設らによる新デザインが決定。ちょうど1年後の12月から、建設工事が行われるという。

あの場所はいま、どうなっているのだろう。東京五輪や組織委にゆかりのある「食材」を持って、Jタウンネット記者は競技場跡地へと向かった。
そこには広々とした空き地があった
国立競技場の正式名称は、「国立霞ヶ丘陸上競技場」。隣接する日本青年館や明治公園、都営霞ヶ丘アパートの区画と一体で、新国立競技場の建設計画が進められている。日本青年館は15年4月から解体、霞ヶ丘アパートも住民が退去し次第、解体される予定だ。

あわせて、周辺では下水道工事も実施されている。その影響で、競技場と日本青年館の間にあった区道(観音橋交差点~霞ヶ丘町交差点間)は封鎖。交差点の信号機には覆いがかぶせられていて、現在は歩行者・工事車両のみ通行可能になっている。


ぐるりと回って、国立競技場跡地へ。敷地は塀で囲まれているが、ところどころに透明な窓が付けられている。のぞき込んでみると、一面の空き地が目に入った。ここに国立競技場があったのだ。


さて、食べよう

歩きまわって、疲れてしまった。明治公園で食事にしよう。日本青年館跡地のガレキが見えるこの公園。実は来年(2016年)1月27日をもって、区域縮小が予定されている。いまいる、この場所もあと1か月で「廃止」されてしまうのだ。


では、食事といこう。今回厳選したメニューはこれだ。

老舗ベーカリー「ポンパドウル」のバゲットからはじまり、メインは三陸産の生ガキ。かの大御所政治家が「干からびたチーズ」と揶揄したとされる「ミモレット」も調達した。



デザートは「ザハ・テアトル」。一般国民の間では「ザッハ・トルテ」と呼ぶらしいが、いまはこう呼ばせてもらう。この形状、ちょっと隈研吾氏の新デザインにも似ている気がする。

ワインと一緒に...
カキを食べるのなら、合わせるのは白ワインにしよう。いろいろ銘柄を比べたあげく、オーストラリア在住の日本人醸造家が手がける「Small Forest(スモールフォレスト)」の白ワインを取り寄せた。

ガレキに向けて、カンパーイ。まもなく17時、どんよりとした薄墨の空の下、ひとり黙々とカキを食らう。ポン酢をたらしてはジュルリ。ワインをふくみ、パンをかじって、またジュルリ――幸せな時間が続く。

用意したザハ・テアトルは、マクドナルドの一部店舗で期間限定販売されているもの。まもなく閉店する原宿表参道店で購入した。

ようやく新デザインが決定した新国立競技場。ひと安心はしたが、ここからが正念場だ。来年末から、完成予定の2019年11月まで、3年間にわたる大工事が始まる。1964年の前回五輪ほどではないだろうが、ここ数年で都内各地が大きく変わるはず。まだ見ぬ未来都市・東京を思いながら、グラスをまわすのだった。
