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市長に聞いた! ふるさと納税で宮崎県都城市が起こした「革命」

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.10.24 11:00
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都城のふるさと納税品は、「肉」と「焼酎」だけ――。

この大胆な試みが大きな話題を呼び、ここ1年間のふるさと納税額・件数ともに全国トップクラスに躍り出た宮崎県都城市。

都城のPRキャラクター「ぼんちくん」は、池田市長にソックリ?
都城のPRキャラクター「ぼんちくん」は、池田市長にソックリ?

全国の自治体が熱い視線を注ぐふるさと納税において、都城市は飛ぶ鳥を落とす勢いを見せている。Jタウンネット編集部は2015年10月8日、池田宜永・都城市長に詳しいお話を伺った。

池田市長「ふるさと納税には、『一石四鳥』の効果がある」

「ふるさと納税は、市をPRするための1ツールと割り切って始めました」

開口一番、そう力強く語った池田市長。続けて、「何よりもまず、都城というまちのことを広く知ってもらうことが1番だと考えたのです」と説明してくれた。そのため、市長就任2年目となる2014年に「みやこんじょPR課」を設立。地元のPRに積極的に力を入れる体制を整えた。

そこで池田市長が重要視したのは、「ターゲット、焦点を絞ること」だった。

「日本一の肉と焼酎」という市のキャッチコピーが示す通り、都城の牛・豚・鶏の産出額は全国1位で、市内には売上高全国1位の焼酎メーカー・霧島酒造が本社を構えている。市が打ち出したのは、この2つの「日本一」を全面に押し出していく方向性だ。

「10個を並べて置くのか、1個をドンと売り出していくのか。どちらが人の注目を集めるかは、考えるまでもないでしょう?そう考えたとき、都城には肉と霧島酒造という2つの大きな『ウリ』がありました。その魅力を最大限活かすために、市ではその2つに焦点を当ててPRを行っていく方向性を固めました」

ただ、そういった市の方針には「行政の平等という観念に反するのではないか」という批判も寄せられたという。しかし、池田市長は「市としても、この問題には頭を悩ませました。でも、今になって思えばただの先入観に過ぎなかったかもしれません」と語る。

都城の特産品「肉」と「焼酎」
都城の特産品「肉」と「焼酎」

肉と焼酎という「つかみ」や「きっかけ」がなければ、そもそも都城の持つその他の魅力もなかなか知って貰えない――。実際、14年10月にふるさと納税のラインナップを刷新し、肉と焼酎の2種類に絞った展開をはじめてから、都城への注目度は急激に上昇したのは間違いない。

ここ1年間の納税額は19億円以上、納税件数は17万件以上にのぼる。これは、14年度の寄付額全国1位を記録した長崎県平戸市の14億円(ふるさとチョイス調べ)を大きく上回る結果だ。納税額の伸び幅は、前年比で380倍にも達したという。

このように大きな結果を残した都城市のふるさと納税事業。さらに池田市長は、「一石四鳥」の効果があったと語る。

池田市長が語る「一石四鳥」とは?
池田市長が語る「一石四鳥」とは?

市役所の職員から、「年末商戦」という声があがった

池田市長が説明する「一石四鳥」というのは、

(1)市のPRになること
(2)金額の多寡はともかく、寄付金が集まること
(3)地元産業への支援になること
(4)市役所で働く職員の意識が変わったこと

の4つ。なかでも、池田市長がとくに驚いたのは4番目に挙げた「職員の意識改革」だという。

「これまで、市役所の事業と言えば長いスパンで行うものばかりでした。例えば、教育事業なんて20年・30年先に結果が見えてくるものですし。でも、ふるさと納税は成果が数字という形ですぐに出ます。そのため、職員の意識が民間企業の営業マンのように変化していったのです」

そのなかでも、職員から「年末商戦」という言葉が飛び出したときには、民間と行政の溝が埋まったことを強く実感したという。そういった経験から、「ふるさと納税の導入が、市役所文化をいい意味で破壊してくれた」とまで認識しているそうだ。

左から3番目が池田市長、4番目が霧島酒造専務・江夏拓三さん
左から3番目が池田市長、4番目が霧島酒造専務・江夏拓三さん

ところで、15年1月から都城市のPRキャラクターをつとめている「ぼんちくん」は、池田市長と見た目がソックリ。これについて、本人に直撃してみると、

「そういう話があることは知っています(笑)。私のことを、『リアルぼんちくん』と呼んでいる人もいるらしいですよ。でも、これはただの偶然なんです」

と笑いながら答えて頂いた。

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