日本水道協会のポスターが今年もエッジが効きまくっている
協会の伝えたいことは分かったけどさ
ポスターは4つのコマに分かれている。
水道水をがぶ飲みするスポーツマン水野くん。その様子を1人の女子学生が木陰から見守っている。
彼が水飲み場を立ち去ると、彼女は水野くんがさっきまで利用していた蛇口で水を飲む。
同じ体験をして気分が高揚した彼女は、顔を赤らめて次のようにつぶやくのだった。
「さっきまで水野くんが飲んでた水道水、飲んじゃった!! おいしーい!!
でも、この水って当たり前に出るものじゃないんだよね!!
日本の高い水道技術のおかげで、水道水に適切なメンテナンスがなされて、水野くんと私のもとに安全でおいしい水が届いているんだよね!!
水道の意地には莫大なお金がかかるみたいだけど、老朽化していく水道施設を定期的に更新していかなくちゃいけないし、いざという時に水が止まらないためにも耐震化にしっかり取り組んでいかないといけないな!!
私と水野くんは水道でつながってる!!」
日本水道協会のポスターが去年のより闇が深くなってる... pic.twitter.com/DyGLpuJTO7
— すぷれい@大湊の提督 (@Fire_Mixer) 2015, 10月 20
ちなみに2014年版はこんな感じだ。彼女の父親は水道関係の仕事をしているらしい。ポスターに込められたメッセージは恐らく一緒だが、昨年のバージョンは水道協会に加盟する業者のスタッフを鼓舞するような作品に仕上がっている。
それに対して今年のバージョンはどうだろう。
「さっきまで水野君が飲んでいた水道水、飲んじゃった」というのは、思い込みがすぎるのではないか。どう考えても物質としては別物だ。
最後の一文の「私と水野くんは水道でつながってる!!」というくだりもよく分からない。一歩間違えたらストーカー的発想と評するのはうがちすぎか......と思ったら、ネットの意見はさらに手厳しかった。
「このヒロイン、好きな子の笛を吹いた小学生みたいですね」
「吹き出しの台詞が長過ぎ。ジャンプの編集担当に絶対 ダメ出し食らうやつ」
「キャラクター変えたらキモくなる」
同協会は20日、毎日新聞と産経新聞にも広告を出した。ターゲット層が異なることを意識してか、テイストが180度異なる。
料金の自治体格差は約10倍にまで広がっている。数十年前に敷設した水道管が老朽化しているにもかかわらず、人口減と節水、工業用需要の低下で落ち込んでいるため、従前の料金では維持費用が到底まかなえないからだ。
一方の広告だけ見るのではなく、2種類のポスターを比較することで、水道水の直面する問題の深さが理解できるのではないか。
商業施設に掲示された広告は、11月1日まで見ることができる。