秋葉原の謎...万世橋の「小部屋&船着き場」は何のために作られた?【前編】
トイレの下にある階段と、使われていない船着き場
現在の万世橋は1930年(昭和5年)、関東大震災からの復興事業の一環として建造された。鉄筋コンクリート造り、風格あるその姿は、85年後の今もそれほど変わっていない。
そんな万世橋の謎とは? それは橋のたもとの地下にある、正体不明のスペースの存在だ。
まず1つは、橋の北東側。道路からつながる階段の先には、小さな「船着き場」のようなスペースが。さらにその脇には、重々しい金属製の扉があり、ここから橋の地下部分に入れるらしい。
橋に船着き場が併設されていること自体は、それほど珍しいことではない。ただ、この万世橋の船着き場は常に柵で閉鎖されており、ほとんど使われている形跡がないのだ。
もう1つは、反対の南東側。公衆トイレの真下にあるのは、やはり川に面した小さなスペースと、小部屋への入り口だ。
望遠レンズで撮影してみると、スペースの中には地上とつながる階段があることがわかる。だが、その地上にはトイレが建っているため、ざっと見た限りでは立ち入る術が見つからない。一応手入れがされている北東側のスペースとは対照的に、その黒ずんだ壁や床からは、相当長いこと放置されていることがうかがえる。
これらのスペースは橋の東側(下流側)にだけあり、西側(上流側)にはない。一体、何の目的で作られたのか?