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宇都宮VS浜松「餃子戦争」は、このまま終わってしまうのか?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.03.05 15:48
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朝の連続テレビ小説「マッサン」でエリー役を演じているシャーロット・ケイト・フォックスさんは、来日して餃子(ギョウザ)の魅力に取りつかれた外国人の一人だ。
NHKオンラインの公式サイトで彼女は「私のストレス解消法は......『ギョウザ』を食べること!(笑)。日本のギョウザって、おいしいから大好き!」と語っているほど。

首位奪還の反攻に踏み切ると見られた宇都宮だが

餃子の美味しさが世界に通用することを示す微笑ましいエピソードだが、世帯当たりの消費量日本一をめぐる、栃木県宇都宮市と静岡県浜松市の「餃子戦争」は、そのし烈さで知られている。
総務省が2014年1月末に発表した家計調査で宇都宮市が3年ぶりに1位になったときは、Jタウンネットもその様子を報じた(参照:「餃子日本一」宇都宮の涙ぐましすぎる戦いの軌跡)。しかし今年は浜松市が2年ぶりに首位の座を奪還した。

宇都宮餃子(switchstyleさん撮影、Flickrより)
宇都宮餃子

両市の餃子争いは今後も続くかと思われた。ところが3月3日の朝日新聞によると、宇都宮餃子会の事務局長は、「PRのための順位はもういい」「今後は量より中身で勝負です」と、順位争いからの路線転換を唱えている。

これは餃子に限ったことではないが、家計調査のデータには「数字の罠」がある。同調査の対象となる食料は、スーパーなどで購入した調理食品だけ。飲食店の餃子は店内、出前、宅配、持ち帰りの別にかかわらず「外食」に分類され、チルド等は「冷凍調理食品」という括りになる。

宇都宮駅前や市中心部にある餃子専門店の中には行列のできる店もある。実態が必ずしも反映されない調査結果にこだわるよりも、専門店のにぎわいを継続させるためにはどうすればいいか、という方向に、宇都宮はシフトしつつあるようだ。

その答えの1つがツアーガイドの育成だ。2月7日から始まった「宇都宮餃子ガイド育成講座」は、全3回の講座を修了すると認定ガイドとして登録される(参照:宇都宮観光に今必要なのは、「餃子ガイド」の存在かも)。

グルメサイトの評価ではないけれど、一口に餃子といっても専門店によって味は微妙に異なる。その違いをきちんと説明でき、観光客の好みにあった店を案内できる人材がいてこそ、リピート客は増えていく。

さらに宇都宮の魅力は餃子にとどまらない。街コン発祥の地であり、ジャズやカクテル、大谷石でも売出し中だ。餃子に関するディープな知識を持ちつつ、それ以外の分野も詳しいガイドは、町を盛り上げてくれる頼もしい存在だ。

こうして見れば、「餃子戦争」は終わりを迎えたというより、新たなフェーズに入ったと言うべきかもしれない。そしてその先には、シャーロットさんのような外国人「餃子ファン」獲得も視野に入る。

宇都宮のライバル、浜松は?

一方の浜松だが......。浜松餃子の普及に努めている「浜松餃子学会」。その活動報告を伝えるブログ「浜松餃子学会日誌」は、餃子の年間購入額日本一を受け、1月31日付けの記事で次のように記している。

「言って見ればたかが餃子であるにも拘らず、こんなにも日本中で話題にして頂けると言うのは、ひとえに先行して餃子によるまちおこしを行って下さっていた宇都宮市、宇都宮餃子会さん達あってのものです。そんな、全ての方々に心から感謝、感謝であります。」
「さぁ、そして既に2015年の戦いは始まっています。またまた盛り上がる様、私達も頑張ります。この餃子購入額日本一の戦いは、日本の餃子文化を盛り上げる上で大変重要なものです。両市を元気にし、他の餃子ご当地を元気にし、日本を元気にする重要かつ楽しいバトルなのです。盛り上げますよぉ!」

明らかにやる気満々。宇都宮に変わらぬスタンスを期待しているように読めるのだが......さて、2015年の「戦い」の行方は?

浜松餃子(dreamcat115さん撮影、Flickrより)
浜松餃子!
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