茨城・取手の団地が、いろいろと「すごいこと」になっている
地元の大学と市民ボランティアがコラボ
団地の建物群をアート作品に変身させたのは、東京藝術大学とボランティア市民らによって結成された「取手アートプロジェクト」(TAP)だ。
東京・上野公園に本部がある同大学。美術学部1年次向けに「取手キャンパス」を開設したのは1991年のこと。現在、美術学部先端芸術表現科の全学年と絵画・彫刻・工芸・デザイン・建築の各科の1年次の授業が行われている。
1999年に誕生したTAPは、若いアーティストに創作の場を提供すると同時に、アートの力で取手を盛り上げるべく、様々なプロジェクトを展開してきた。
戸頭団地の壁面アートプロジェクトは「IN MY GARDEN」と名付けられ、住民から寄せられた団地にまつわるエピソードをもとに、同大学大学院卒業のアーティスト、上原耕生さんが絵を描いた。
国道沿いに立つ建物の側面に描かれているのは、カラフルなドアとハシゴの絵。

違うアングルからパシャリ。

さらに奥へ進むと、隣の建物にもアートが。今度は人がいる!

よく見ると、イラストだけでなく立体物も取り付けられている。

小さなショッピングセンターと公民館を通り抜けると、そこは4階建ての集合住宅群。落ち着いたテイストの作品だ。


ドアに近づいてみると......おおっ、ドアの取っ手も立体。

ショッピングセンターのある辺りに戻る。すると、来たときには気づかなかった光景があちこちに。




一方で、取材中に出会った地元の人は、団地の現状をこう話す。
古い建築基準法のときにできたので、建物によってはエレベーターが付いていないんですよ。高齢で足腰の弱った人だとちょっと。1キロ圏内にイオンやヤオコーができて日々の買い物には不自由しませんが、ショッピングセンターは......。ここで育った若い人は他所へ移っちゃって、お年寄りが増えています。
ショッピングセンターには空き店舗も
駅に戻る途中、広場にいた中学生たちが楽しそうにおしゃべりをしていた。彼らの目に、団地のアートはどう映っているのだろうか。