日本一「ファミレス」好きな県民
大人数でも気軽に入れて美味しい料理が手軽に食べられるファミレスは、長年売り上げ低迷が報じられてきた。ところが、日本フードサービス協会の調べによると、ここ1~2年ファミリーレストラン(ファミレス)の売上高や客単価は上向いている。
ファミレスチェーンが売上を伸ばした理由として、大人向けの高級路線にシフトし店の差別化に成功したからといわれる。
そんなファミレスが好きなのはどこの県民か。2014年9月にNTTタウンページが発表したデータによると、人口10万人当たりのファミリーレストラン(ファミレス)登録件数は「山梨」が11.15件で全国1位だった。
2位は「埼玉」で10.75件。以下、「千葉」が10.06件、「東京」が8.95件、神奈川が8.82件、栃木が8.56件と続く。
1位から7位までは関東+山梨が独占、8位以下にようやく他の地方がランクインする。8位が「高知」で7.45、9位が「静岡」で7.28、「長野」が10位で7.18だった。
山梨県人は食の好奇心が強いから!?
他の地域と同様、山梨も郊外型ロードショップが増えており、ファミレスは市街地ではなく主要道沿いに多く立地する。地元住民だけでなく首都圏からやってくる観光客も利用しやすい。
また山梨は、海なし県にもかかわらず魚介類の消費が旺盛なことでも知られる。その理由として「山国だから逆に海産物への憧れが強い」「江戸時代に山梨は天領だった時期が長く、元は三河(愛知県)出身の幕臣が海の幸を欲しがった」などの説が挙げられている。
首都圏に通ずる道路網が整備され、そして食に対する好奇心の高い県民性が、ファミレス数の多さにつながっているのだろうか。
ちなみに、都道府県庁所在地と政令指定都市1世帯当たり「一般外食」の年間支出額は、全国平均が15万6638円で、甲府市(山梨)は全国平均を若干下回る約15万円。支出額の上位は川崎(神奈川)、東京23区、名古屋(愛知)、堺(大阪)などの各都市が占めている。
人口縮小という逆風が吹き続ける外食産業。各ファミレスチェーンは年間支出額の多い地域への出店攻勢を強めるだろう。
生き残りのためなら店舗のスクラップ&ビルドを厭わないだけに、数年後、登録数の順位がさらに変動している可能性は否定できない。