意外と楽しい「都道府県の旗」の世界
レトロ感があるカタカナ編
続いての広島県はカタカナの「ヒ」をモチーフにしている。花王のマークみたいだ。カタカナ由来のマークは戦後作られたものが多く、よく言えばレトロな趣があるが、悪く言うと安直、ちょっとダサいものも少なくない。
奈良県と長野県は、どっちも「ナ」由来。しかもどっちも丸っこくデザイン化している。制定はどちらも1960年代後半、ダブらないようにしようとか思いつかなかったのだろうか......。「スマッシュブラザーズ」のマークっぽい長野県の方が、スタイリッシュ感では一歩勝る。
「1字目のカタカナをとりあえず丸っこくしてみました」というものも少なくない中、なかなかかっこいいのが秋田県と千葉県だ。
秋田県は「ア」を躍動的にデザイン化。実は半世紀近くこの旗は「作者不詳」だった。応募時に添えられていた名前が、仮名だったためだ。ところが最近になって、隔離施設で闘病生活を送っていたハンセン病患者(故人)が、名前を隠して応募していたことが明らかに。数々の県旗の中でも、最もドラマチックな経緯を持つ旗といえるだろう。
千葉県の旗は、「チ」「ハ」を組み合わせたもの。こちらは1909年制定とかなり歴史は古いが、SF作品の国旗などになっていそうな趣がある。