黄門、光秀、忠勝...各地に乱立する大河ドラマ誘致運動が熱い
全国にざっと30人分は誘致活動が
地域の振興にも大きな影響を及ぼす大河ドラマ誘致活動はいろんなところでやっている。
茨城県では、「水戸黄門」でおなじみ徳川光圀の大河ドラマ化運動が起きている。
水戸商工会議所を呼び掛け人とする推進協議会は2013年5月に設立。当面の署名目標数を35万人と設定して活動を続けてきた。
協議会の総会が2014年5月14日に水戸市内で行われ、目標数を突破したことが報告されたが、2016年の大河ドラマが「真田丸」に決まったことで落胆する声が挙がった。引き続き誘致活動を行っていくという。
徳川家康に仕えた武将で徳川四天王の1人、本多忠勝は千葉県大多喜町が推している。
「武田信玄に「山本勘兵衛」、上杉景勝に「直江兼続」、豊臣秀吉に「黒田官兵衛」有り! そして徳川家康に「本多忠勝」がいました。」(公式サイトより)
うーん、こう並べられると確かにそんな気がしてくるが、「側近」というよりは「武人」タイプの忠勝だと、1年引っ張るのは難しい気も......。
本能寺の変を起こした明智光秀とその娘・細川ガラシャは、京都府内6市1町が誘致推進協議会を設立している。「taiga-dorama.com」なんてドメインまで取得しているあたり、そのやる気が伝わってくる。NHKには怒られないのだろうか。
このほか、神奈川県小田原市は元祖下克上の「北条早雲」、三重県津市は7回主君を変えた「藤堂高虎」、長野県伊那市は江戸幕府前期の名君「保科正之」、千葉県館山市は県南部を支配した「里見氏」、岡山県高梁市は岡山藩の財政再建に取り組んだ「山田方谷」をそれぞれ推している。もちろん地元にとってはかけがえのない偉人たちだろうが、こうした申し入れをいちいち裁かなければならないNHKも結構大変だろう。
「正式にNHKに申し入れがあったものだけでも、人物ベースでざっと30人はいるとか。1人の人物を複数の地域で推している場合もあるし、NHKが把握してないものも含めれば、相当な数になるはず」とは、NHKに取材経験のある記者の弁。地方の支局にも、しょっちゅう「陳情」があるとも言われているが、なるほどと思わせるほどの盛り上がりぶりだ。