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黄門、光秀、忠勝...各地に乱立する大河ドラマ誘致運動が熱い

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.05.15 19:31
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河北新報が2014年3月27日に報じたところによると、2013年の大河ドラマの主な舞台となった福島県会津若松市の2013年観光客は、前年より100万人多い395万9000人に達し、過去最多になったという。同県は今も福島第1原発事故による風評被害から脱しきれていないが、それをものともしない効果がある。

2016年は戦国武将・真田信繁(幸村)の生涯を描く「真田丸」に決まった。幸村の故郷である長野県上田市や、関ケ原の合戦後の配流先となった和歌山県九度山町では、「真田幸村が主人公の大河ドラマに!」という署名活動が数年前から展開され、全国各地の署名を集めると約88万人分にも達するという。

全国にざっと30人分は誘致活動が

地域の振興にも大きな影響を及ぼす大河ドラマ誘致活動はいろんなところでやっている。

茨城県では、「水戸黄門」でおなじみ徳川光圀の大河ドラマ化運動が起きている。
水戸商工会議所を呼び掛け人とする推進協議会は2013年5月に設立。当面の署名目標数を35万人と設定して活動を続けてきた。
協議会の総会が2014年5月14日に水戸市内で行われ、目標数を突破したことが報告されたが、2016年の大河ドラマが「真田丸」に決まったことで落胆する声が挙がった。引き続き誘致活動を行っていくという。

徳川家康に仕えた武将で徳川四天王の1人、本多忠勝は千葉県大多喜町が推している。
「武田信玄に「山本勘兵衛」、上杉景勝に「直江兼続」、豊臣秀吉に「黒田官兵衛」有り! そして徳川家康に「本多忠勝」がいました。」(公式サイトより)
うーん、こう並べられると確かにそんな気がしてくるが、「側近」というよりは「武人」タイプの忠勝だと、1年引っ張るのは難しい気も......。

本能寺の変を起こした明智光秀とその娘・細川ガラシャは、京都府内6市1町が誘致推進協議会を設立している。「taiga-dorama.com」なんてドメインまで取得しているあたり、そのやる気が伝わってくる。NHKには怒られないのだろうか。

このほか、神奈川県小田原市は元祖下克上の「北条早雲」、三重県津市は7回主君を変えた「藤堂高虎」、長野県伊那市は江戸幕府前期の名君「保科正之」、千葉県館山市は県南部を支配した「里見氏」、岡山県高梁市は岡山藩の財政再建に取り組んだ「山田方谷」をそれぞれ推している。もちろん地元にとってはかけがえのない偉人たちだろうが、こうした申し入れをいちいち裁かなければならないNHKも結構大変だろう。

「正式にNHKに申し入れがあったものだけでも、人物ベースでざっと30人はいるとか。1人の人物を複数の地域で推している場合もあるし、NHKが把握してないものも含めれば、相当な数になるはず」とは、NHKに取材経験のある記者の弁。地方の支局にも、しょっちゅう「陳情」があるとも言われているが、なるほどと思わせるほどの盛り上がりぶりだ。

大河ドラマ主人公にはある共通点が

ところで、近年視聴率が高い作品にはある共通点がある。「利家とまつ」「功名が辻」「篤姫」など夫婦仲がいいことだ。歴女のような女性がチャンネル権を握っているという訳ではないだろうが、主人公あるいはそのパートナーは正妻(夫)を愚直に愛し続けるという人物設定になっている。

本年の「軍師官兵衛」には戦国武将人気ナンバーワンの織田信長も登場するが、テレビに出てくる妻は正室の濃姫だけ。側室を多数抱えた史実からすると観ていて違和感があるけれども。

その点、主人公の黒田官兵衛は1人の妻しか愛さなかった。まさに大河ドラマ向きの人物といえる。2009年「天地人」の主人公・直江兼続もしかり。2011年「江~姫たちの戦国~」の主人公の夫である徳川秀忠は、(当時としては)女性関係にきれいな方だった。
権力にものをいわせれば側室を何人ももてたのに愛妻家......実は重要なファクターといえる。

NHK大河ドラマの誘致活動を展開するにあたっては、推す人物の異性関係をチェックしないといけない時代かもしれない。

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