「来県」のこと何て言う? 来広・来栃・来崎(?)・来寧(???)
県名より具体的な都市名使うケースも
そこで、新聞記事データベースやインターネット上での地元住民の発言などを参考にしながら、47都道府県での「来県」の表現法について調査することとした。
結果、31道府県で独自の「来県」表現が確認できた。
このうち、上記「来広」型の「県名の1文字目」を使っているのは以下の23府県。
青森、岩手、秋田、福島、栃木、群馬、富山、福井、長野、岐阜、静岡、京都、鳥取、岡山、広島、香川、徳島、高知、福岡、佐賀、熊本、鹿児島、沖縄
全体の約半数がこのタイプだ。
もっとも、たとえば熊本の「来熊」、静岡の「来静」などは比較的よく使われるが、群馬の「来群」はマイナーだ。使用頻度には地域によりかなり差がある。秋田の「来秋」も「来年の秋」と紛らわしいせいか、特に新聞などではあまり見かけなかった。
逆に、こうした表現が確認できなかったのは、
宮城、茨城、埼玉、東京、神奈川、山梨、愛知、石川、滋賀、和歌山、兵庫、三重、島根、山口、愛媛、宮崎
の16都県だ。「来埼」などいかにも使いそうな感じだが、少なくとも近年の埼玉新聞などでは用例がない。
明確な線引きは難しいが、少なくともあまり使わない地域にはいくつかの特徴がある。
(1)首都圏にあるためそもそも「来県」が話題にならない(東京など)
(2)別の意味にとれるためややこしい(「来島」「来山」など。上述の「来秋」も)
(3)都道府県名と主要都市名が違い、都市名の方がメジャー
このうち(3)に該当する地域では、代わりにその都市名を元にした「来×」が使われることが多い。たとえば宮城では「来仙」(仙台)、兵庫では「来神」(神戸)などの表現が頻繁に用いられる。