ベビーカーに1歳娘を乗せてラーメン屋に入った午後3時。ビールを注文した私は、おじさん店主の言葉に涙(東京都・30代女性)
バスの中で叫び始めて...
そんなある日、どうしても出かけなければならない用事がありました。
バスに乗って移動していると、娘が突然叫び始めました。泣き止ませようとしても、どうにもなりません。
周囲から「はぁ〜」とため息をつかれ、「うるさいな」という声も聞こえてきました。
いたたまれなくなり、結局、バスを降りることにしました。
その後、なんとか用事を済ませ、疲れ果てた頃、ようやく娘がベビーカーの中で眠ってくれました。
今のうちに何か食べよう。
そう思ったのは、午後3時を過ぎた頃でした。
お昼ご飯も食べていなかったので、近くのラーメン屋さんに入りました。
店員さんは、私の父より少し若いくらいの男性でした。
ラーメンを一つ注文すると、サービスで玉子をつけてくれるとのこと。ありがたくお願いし、ビールも一杯追加しました。
昼間からビールを飲むなんて、ダメな母親だと思われるかな。そんなことを少し気にしていたと思います。
ところが、ビールを持ってきてくれたおじさんが、こんな言葉をかけてくれました。
「今がお母さんの休み時間やもんな。俺らは仕事が終わったら休めるけど、休めないもんな」
キンキンに冷えたビールを目の前に置いてくれた、その瞬間。
何かがぷつんと切れたように、涙があふれてきました。
きっと、疲れていたのだと思います。
毎日、娘の気持ちを受け止めながら、泣き声に向き合い、周りの目を気にして、なんとか一日を終わらせる。そんな日々が続いていました。
もちろん、娘が悪いわけではありません。成長の過程で、自分の意思を伝えようと一生懸命だったのだと思います。それでも、初めての子育てに必死だった私には、余裕がありませんでした。
おじさんの言葉は、まるで「お母さんだって休んでいいんだよ」と言ってくれているようでした。
涙を流しながらラーメンとビールを口に運び、まだ二口ほどしか食べていないところで、娘が泣き始めました。
すると、おじさんが、
「俺が抱っこしたらダメかな?」
と声をかけてくれました。
娘は人見知りで、私以外の人が抱っこすると泣いてしまうことを伝え、おんぶ紐を使って娘をおんぶしました。そして、ラーメンとビールの続きを急いで口に運びました。
ゆっくり味わう余裕なんてありませんでした。
それでも、本当においしかった。
子育てをしていると、知らない人の何気ない言葉に傷つくこともあります。でも、たった一言で、張り詰めていた心がほどけることもあるのだと知りました。
おじさんにとっては、いつもの仕事の途中にかけた、何気ない一言だったのかもしれません。
でも、あの日の私には、どうしようもなくうれしくて、ありがたい言葉でした。
今でも、あの日のことを思い出します。
あのお店に入ってよかった。
あのおじさんに会えてよかった。
あの日のラーメンとビールは、一生忘れられない味になりました。
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