「出産を控える私と、癌で日に日に衰弱していく父。予定日前だけど赤ちゃんに会わせたくて...」(千葉県・40代女性)
千葉県在住の40代女性・Yさんが感謝を伝えたいのは、子供を産んだ病院で働いていたある看護師だ。
入院中、彼女が話してくれたことが、Yさんの心に今でも残り続けている。
<Yさんからのおたより>
私が妊娠9か月のころ、父が肺がんで入院し、容態が悪くなっていっていました。
父の死が先か、それとも私の出産が先か、という状況でした。
お見舞いに行った時、「もしかしたら、赤ちゃんと父は対面することが出来ないかもしれない」と思いました。
せめてお腹の赤ちゃんを感じてもらいたいと、胎動があった時に、お腹を触ってもらいました。
父に赤ちゃんを会わせたくて...
父親に赤ちゃんを見てもらいたい、と思いました。お腹の赤ちゃんはしっかり成長しているとのことで、帝王切開で出産できないか、とも考えました。
ただ、もし私が入院している時に父が亡くなっては、父の最期に私も会うことが出来ないので、それも諦めました。
結局、父親は出産の1週間前に亡くなりました。
出産後、入院していた病棟の看護師さんがこんな話をしてくれました。
「私の父も、私が出産する前に亡くなったんですよ。
でも出産してから、蛍が私の前に来たんです。もしかしたら父かなっておもいました。
きっと、お父様も近くで見守ってくださっていますよ」
「そうか、父はそばで見守っているんだな」と思えて、急に心が暖かくなりました。
あの時の看護師さんのお話があって、今でも父親を感じています。
ありがとうございました。
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