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〝幻の柑橘〟が「野菜生活」になって全国へ 独特の風味でファン続出「クセになる」「美味いからみんな飲も」

松葉 純一

松葉 純一

2025.02.27 20:30
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「じゃばら」という食べ物をご存じだろうか。

もしかしたら、聞いたことがないという読者も、いるかもしれない。

何故ならそれは「幻」と呼ばれるほど希少なモノだからだ。

2025年1月14日、その味をお手軽に味わえる商品が全国で発売された。

「じゃばら村/北山村公式ョップ」(@kitayama_jabara)の投稿より
「じゃばら村/北山村公式ョップ」(@kitayama_jabara)の投稿より

それが、カゴメの「野菜生活100 和歌山じゃばらミックス」。

パッケージに描かれている果実が、「じゃばら」である。

ユズやスダチ・カボスに似た香酸柑橘の一種で、「邪(気)を払う」がその名の由来だという。

奈良県と三重県に囲まれた和歌山県の飛び地・北山村にのみ自生していたこと、生産量が少なく希少性が高いことから「幻の柑橘」と呼ばれていて、気軽には出会えない......。そう思っていたものが、なんとジュースに。

北山村でじゃばらの生産やじゃばら製品の製造・販売を行う企業「じゃばらいず北山」は商品の発売日、オフィシャルサイト「じゃばら村」の公式Xアカウント(@kitayama_jabara)で、こう呼びかけた。

「北山村のじゃばら果汁を使った『和歌山じゃばらミックス』が本日より全国発売! 北山村のじゃばらを味わったことがない方は是非」

幻の柑橘、一体どんな味なのか。筆者も早速、近所のスーパーで探して購入し、飲んでみた。

クセがあるけど、クセになる!

カゴメのプレスリリースより
カゴメのプレスリリースより

和歌山じゃばらミックスは、明るい黄色の液体だ。

飲んでみると爽快感が強く、柚子やレモンでもない、独特の風味がある。

ほんのりと苦みもあり、今までに飲んだことのない、クセになる味わいだ。

もしかしたら苦手な人もいるかもしれないが、Xにはこんな声が寄せられている。

「早速飲みました!!! この鼻に抜ける香り! 正にじゃばら♪ まだまだ寒く健康が気になる季節! じゃばら飲んで邪を払います!」
「甘すぎない・酸っぱすぎない・苦すぎない・じゃばらの味がしっかりする!」
「これ美味いからみんな飲もな」
「めちゃくちゃおいしかったです! スッキリしてるけど癖になる」
「野菜生活の季節限定和歌山じゃばらミックス、結構クセがある
青臭い感じだけど、意外とクセになる味かもしれない、実物のじゃばらもこういう味なのかな?」

独特の風味の虜になった人も、少なくなさそうだ。

しかし、幻の柑橘と呼ばれるほど希少な「じゃばら」が、なぜ全国販売できるようになったのか? そして、全国の人に「じゃばら」を味わってもらうことについての期待や、今後の「じゃばら」の展望は?

筆者は「じゃばらいず北山」に詳しい話を聞いてみることにした。

それは、一通の手紙から始まった

じゃばらいず北山によると、北山村は人口わずか350人ほどの小さな村。その村の各地に計8ヘクタールほどじゃばら畑がある。

栽培されているじゃばらは約5000本。毎年100トン前後の果実が収穫されているそうだ。

同社は、その北山村役場内で、紆余曲折ありながらも続けられてきた「じゃばら事業」を民営化した会社だという。2020年、株式会社として創業し、新たなスタートを切った。

「じゃばら村/北山村公式ョップ」(@kitayama_jabara)の投稿より
「じゃばら村/北山村公式ョップ」(@kitayama_jabara)の投稿より

2023年には、新工場であるじゃばらいず北山七色工場も完成し、ペットボトル、缶製品が製造可能になった。果汁、ドリンク、ぽん酢やジャムなどが生産され、ネット販売のほか、主要都市部のデパートなどでも販売しているという。

そして、「野菜生活100 和歌山じゃばらミックス」の全国販売。そう聞くと、順風満帆のようだが、ここまで来るにはなかなか大変な時期もあったようだ。

「じゃばら村/北山村公式ョップ」(@kitayama_jabara)の投稿より
「じゃばら村/北山村公式ョップ」(@kitayama_jabara)の投稿より

「野菜生活100 和歌山じゃばらミックス」のきっかけは、何だったのだろう? 尋ねると、意外な答えが返ってきた。

「5年ほど前、現在の代表取締役の池上 輝がいきなり手紙を書いたのがきっかけと聞いております。 『じゃばらをテーマに新商品を作ってみませんか』という一通の手紙をカゴメ様にお送りしたのだそうです。開発担当者が試作してみると『なにこれ......、う、うまい!!』となり、と3年かけて開発されたのだそうです」(「じゃばらいず北山」担当者)

一通の手紙から、始まっていたとは。「じゃばら」という稀有な素材があったからこそとは思うのだが、関係者の熱い情熱が結実した成果と言えるのではないか。

それによってじゃばらの味わいが、北海道から九州・沖縄まで、全国で知られることにつながることは、「嬉しい」の一言だ、と担当者は語る。

スーパー、コンビニの流通網を通して、「じゃばら」の認知度は全国区になっていくかもしれない。 それに、和歌山県北山村の知名度アップにも影響するのは間違いないだろう。

「じゃばら村/北山村公式ョップ」(@kitayama_jabara)の投稿より
「じゃばら村/北山村公式ョップ」(@kitayama_jabara)の投稿より

ところで北山村に行ってみたいという人が全国からやって来たら、どうしますか? と尋ねてみた。

「夏は、村内を流れる北山川で、筏下りを楽しんでいただけます」
「丸太を組んだ筏に乗って川下りを体験できるのは、ここ北山村だけ。筏師が造る筏で大自然の中を人力だけで下る北山川の筏下りは、おすすめです」

担当者は、自信たっぷりにそう語った。

なるほど、爽快感は「じゃばら」に負けないかもしれない。

ひとまず、「野菜生活100 和歌山じゃばらミックス」の販売期間は、3月中旬までの予定。在庫がなくなり次第終了するので、気になる方は今のうちに。

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