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菊池雄星投手の〝大好物〟に困惑広がる「なんですか!?」「初めて見た」 謎の食べ物〝きりせんしょ〟とは

福田 週人

福田 週人

2025.01.24 20:30
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日本よ、これが「きりせんしょ」だ

農林水産省のサイト「うちの郷土料理」を見てみると、「きりせんしょ」は岩手県のページに掲載されていた。

昔は山椒を刻んで浸した汁で粉を練ったことから「きりさんしょう」と呼ばれており、それが転じて「きりせんしょ」となったという説があるという。しかし、昭和初期にはすでに山椒は全く使われなくなったそう。

では、現在の「きりせんしょ」とは?

これが「きりせんしょ」だ!(出典:「うちの郷土料理」)
これが「きりせんしょ」だ!(出典:「うちの郷土料理」)

見た目は、小判型のお餅といった感じ。表面には何本もの筋が入っている。

生地には黒い粒が練り込まれており、表面には細かく砕かれたクルミが乗っているようだ。

ご飯のおかず......いや、お菓子? とにかく、どんな味がするのか気になるところだ。

記者は24日、きりせんしょの詳細について、菊池投手が紹介した「きりさんしょ」の販売元として記載されていた岩手県北上市の産地直売センター「あぐり夢むくちない」に話を聞いた。

取材に応じた同センタースタッフによると、「きりせんしょ」とはズバリ、米粉を使ったお菓子。

原材料は米粉(画像はイメージ)
原材料は米粉(画像はイメージ)

米粉に砂糖、醤油、クルミ、黒ゴマを混ぜてこね、それをきりせんしょ専用の型で成形した後に、蒸し器で蒸し上げて作るのだという。

「冠婚葬祭など行事のときによく食べるものです。昔はほとんど手作りするものというイメージでしたが、今はお店で買う人も多いです」(同スタッフ)

「うちの郷土料理」によれば、きりせんしょが食べられている主な地域は、盛岡市、花巻市、紫波町、遠野市などの県央地域。県民でも「知らなかった」という声が上がったのも納得だ。

この地域では、農作業の合間の「こびり」(昼食と夕食の間のおやつのこと)として、腹持ちのよい米粉、小麦粉、雑穀、豆類などで作られたものがよく食べられており、きりせんしょもその1つだったんだとか。

農作業中のおやつに食べられていた(画像はイメージ)
農作業中のおやつに食べられていた(画像はイメージ)

岩手県央地域では昔から親しまれていたという郷土料理、きりせんしょ。

現役のメジャーリーガーである菊池選手に「大好物」と評されていることについて、地元民としてはどう感じているのだろうか。

記者の質問に、同センタースタッフはこう答えた。

「私たちにとっては子供の頃から食べていて慣れ親しんでいたものなので、世界に羽ばたいて活躍されているようなすごい選手が、今もその味を忘れずにいてくれているというのは嬉しいです」
これが「きりせんしょ」だ!(出典:「うちの郷土料理」)
「きりせんしょ」、覚えたぜ!(出典:「うちの郷土料理」)

読者の皆さんも、岩手の県央地域を訪れた時は、記念に「きりせんしょ」を食べてみては?

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