「障害児を赤ちゃんカートに乗せてたら『歩かせなさい。甘えた子になる』。見知らぬおばあさんに非難され...」(石川県・30代女性)
<Mさんの体験談>
3年ほど前に地元のスーパーで体験した話です。
私には3人の子供がいて、末っ子は数万人に1人と言われている染色体異常を持って生まれてきました。
どこに行ってもニコニコと周りの人に手を振るような愛想の良い子なのですが、成長がゆっくりで、2歳だった当時はまだ歩けませんでした。
なので、買い物に行ったときは基本的にスーパーに置いてある赤ちゃん用のカートを使用していたのですが......。
成長がゆっくりとはいえ、身長だけは同年代の子より少し小さめなだけの末っ子。
周りからは「なぜあんなに大きい子がカートを使っているんだろう」と思われていたのでしょう。
ある日、スーパーで買い物中にすれ違ったおばあさんから話しかけられました。
「お母さん、このカートはこんな大きい子が使うものじゃない。お母さんが甘えさせるから歩かなくなるんだよ。歩かせなさい。弱い甘えた子になる」
子供に障害があってまだ歩けないから使わせてもらっていると伝えても、「お腹にいるときのあなたの生活が悪いから子どもに障害が出るんだ」と言われ、あまりにも辛く泣きそうになってしまいました。
すると、そこへ通りかかったまた別のご婦人が声をかけてきたのです。
「お母さん、気にしなくていいよ。病気があろうとなかろうと、成長はそれぞれなんだから。
この子はこんなに素敵な笑顔で手を振ってくれるようないい子に育ってる。笑ってるってことはこの子は幸せなんだよ。お母さんのおかげだね」
その言葉を聞いて、最初に声をかけてきたおばあさんも「そうだね、余計なことを言ったよ。お母さんすまないね」と謝ってくれました。
いろんな考えがあるとは思いますが、やっぱり暖かい声をかけられると嬉しくなります。
末っ子は3歳半になったころ、よたよたと歩けるようになりました。 ゆっくりな成長を家族で喜んでいます。あの時のご婦人には感謝しています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、ありませんか?
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている――。そんな人も、読者の中にいるかもしれない。
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