「サイトウ」の漢字って何でこんなに多いんだ? 調べた結果に7.6万人驚がく「多分さいとうさんも困ってる」
「サイトウ」といえば、日本でポピュラーな苗字の1つ。読者の皆さんの中にもサイトウさんがいるだろうし、サイトウさんに出会ったことがある人は、非常に多いだろう。
そんな「サイトウ」にまつわる体験を描いた漫画が、X上で注目されている。
こちらは、漫画家で会社員の青木ぼんろ(@aobonro)さんが2024年9月30日に投稿した作品。
パソコンでサイトウさんにメールをしようとする青木さんは。しかし、今から連絡するサイトウさんって、どの漢字を書くんだっけ......? 斎藤? 斉藤? 齋藤? それとも、齊藤?
仕方なく、整理しないままカードゲームのデッキのようになってしまっていた名刺の束を漁り、何とか相手のサイトウさんの漢字を突き止めた。
ただ、そこで青木さんはしみじみと考える。
多すぎる「サイトウ」
「...もうどれかに統一されねぇかなぁ」
「あと、真ん中の『Y』なんなんだよ」
上も下もゴチャゴチャしている「齋」の字を眺め、心中でそうこぼす青木さん。
そして、一体なぜ「サイトウ」の「サイ」にはこんなにもバリエーションがあるのかと、疑問を抱く。
そこで、さっそくその理由をネットで調べてみると、戸籍制度の導入により全国民が苗字を登録した際、役所で書き間違いが多発。最終的に「サイ」の漢字は85種類にも増えてしまった――という情報が見つかったらしい。
この"サイトウの漢字増えすぎ問題"は、姓氏研究家の森岡浩さんの著書「名字でわかる あなたのルーツ: 佐藤、鈴木、高橋、田中、渡辺のヒミツ」(小学館)にも記載されている。
同書によると、平成以降の戸籍の電算化の際、電算化の多くを担当した企業がサイトウの「サイ」が85種類もあることを発見。すべてが書き間違いというわけではなく、ちょっとした書き癖のために別の漢字と見なされたり、あえて変形させているような「サイ」もあったそうだ。そして85種というのは、この企業が担当した分に限るので、実際にはより多くの「サイ」が存在する可能性があるという。
そこで、役所は本人に確認の上でサイを「斎」「齋」「斉」「齊」の4つに集約。ただすべてのサイトウさんがそうなったわけではなく、「本来存在しない漢字でも戸籍では使用したいという意向の人もおり、その場合はそのまま戸籍に残っている」とのこと。
なお、上も下もゴチャゴチャしている「齋」は下だけゴチャゴチャしている「斎」の旧字で、上だけゴチャゴチャしている「齊」は「斉」の旧字。
ということで実は、「齋藤・斎藤」と「齊藤・斉藤」は別の名字なんだとか......。
思いのほか複雑なサイトウさんの世界の一端を描いた作品に、X上では7万6000件のいいねのほか、こんな声が寄せられている。
「増殖しすぎw」
「多分さいとうさん側も困ってると思う笑」
「マジで斉藤と渡辺は統一しろ」