「台所から毎日わが家を覗く隣家のおばさん。ある日、7歳の私に手招きすると...」(埼玉県・50代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Yさん(埼玉県・50代女性)
Yさんは幼いころ、ひもじく寂しい日々を送っていた。
両親が離婚し、母親と暮らすことを選んだものの、Yさんは放置されていて......。
<Yさんの体験談>
私が7歳のとき、両親が離婚しました。
当時私は幼さから母親と一緒に居ることを選んだのですが、母はすぐに男を作り、ほとんど帰って来ない日々がはじまりました。
近くに住む親せきは、知らんぷり
毎日、待てど暮らせど帰らぬ母親を泣いて過ごしていました。
近くに住んでいた母方の両親や兄弟夫婦は見て見ぬふりで、食べる物もなく、淋しさばかりが募りました。
隣の家のおばさんは、台所に立つといつも心配そうにうちを見てくれていました。おばさんの家の台所の窓からは、私が1人テレビをみている姿が毎日見えて居たのでしょう。
そしてある日、そのおばさんが外に出てきてコソコソ私に手招きをしました。
近くに寄ってみると、なんと、作りたてのカレーを下さったのです。「お腹空いてるでしょ?毎日はできないけれど、食べなさい」と言って......。
当時の私には少な目の量ではありましたが、毎日学校の給食しか食べられない私にとっては、天国でした。
大人になった今、お礼が言いたい
おばさんは、それからもたまに食事を持ってきてくれました。
親族が近くにいて知らん顔しているのに、他人である隣人がこんなにも親切にしてくださったこと、今でも感謝しかありません。
大人になった今、お礼を言いたくてどこに住んでいるか探しているのですが、見つかっていません。
お子さんの名前は、朧げに覚えているのですが......。おばさんの名前は、苗字しかわかりません。
幸せに暮らしてくれてると良いなと思います。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」「あの時はごめんなさい」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、読者の皆さんに投稿していただいた体験談内の場所や固有名詞等の情報を、プライバシー配慮などのために変更している場合があります。あらかじめご了承ください)