「すし詰めのバスで乳児連れの私に席を譲ってくれた若い男性。降りるときにお礼を言ったら...」(神奈川県・30代女性)
目が合った男性が大きな声で...
私は直ぐに目を逸らしてしまったのですが、その男性は大きい声で「どうぞ!」と咳を譲って下さって......。
不意打ちだったのと、気恥しさと何とも言えない感情で咄嗟に「大丈夫です!」と答えてしまったのですが、彼は一瞬怪訝な顔をした後にすっと立ち上がり、席をあけて下さったのでした。
慌てて「すみません...」と何とか絞り出して有難く座らせて頂くと、その男性は離れた席に連れの女性が座っていたようで、そちらに向かわれました。女性がにこやかに男性に席を代わっているところが見えました。
その後、バスは無事にゲートに到着。立って乗っていた方から順に降りて行くのを眺めながら、最後に降りようと思って待っていたら、先ほど席を譲って下さった男性とそのお連れの女性が横を通られました。
そこでもう一度、「ありがとうございました」と声を掛けたら......。
その男性が膝から下に装具を、腕にも固定するタイプの杖をつけていることに、気づきました。
彼は一瞬振り向いてから顔を赤くして、そのまま軽く会釈だけして足早に降りてしまわれたのですが、お連れの方がとても素敵な笑顔で「どういたしまして」と答えて下さりました。