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「すし詰めのバスで乳児連れの私に席を譲ってくれた若い男性。降りるときにお礼を言ったら...」(神奈川県・30代女性)

Jタウンネット読者

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2024.09.26 13:30
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シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:ゆちかさん(神奈川県・30代女性)

神奈川県在住のゆちかさんは、17歳の時に長女を出産した。

それから約1年後、娘を連れて飛行機に乗り、遠方の実家に里帰りすることになったのだが......。

幼い娘を連れて実家へ(画像はイメージ)
幼い娘を連れて実家へ(画像はイメージ)

<ゆちかさんの体験談>

今から16年ほど前、長女が1歳近くになったころ、初めて飛行機を使い遠方の実家に里帰りしました。

夫は仕事があったので、私一人で幼い娘を抱えて、初めての小旅行。「グズらないかな」と常に気を張っていました。

飛行機では何事もなかったけれど...

飛行機に乗り込む際は優先入場で、他のお客さん達が乗り込むより前に席までCAさんが付き添って案内してくれました。

グズった時用のおもちゃやおやつをすぐに取り出せるようにするなど、準備は万端。機内では落ち着いて過ごし、幸い特にグズる事もなく無事目的地に到着出来たのですが......。

飛行機は無事乗り越えたけど...(画像はイメージ)
飛行機は無事乗り越えたけど...(画像はイメージ)

乗っていた飛行機がついたのは空港の1番端。ゲートまではバスを使って移動する事になっていました。

飛行機に慣れた様子の他のお客さん達が続々と降りる準備を始める中、完全に出遅れた私は動けず、結局邪魔にならないように1番最後に降りることに。

そうなると当然、バスはもう既にぎゅうぎゅう詰め。手すりすら掴めそうになく、大きな荷物を背負って娘を抱っこして、「やってしまった......」という気持ちでいっぱいでした。

そんな時、少し離れた席に座っていた若い男性と一瞬目が合ったのです。

目が合った男性が大きな声で...

私は直ぐに目を逸らしてしまったのですが、その男性は大きい声で「どうぞ!」と咳を譲って下さって......。

不意打ちだったのと、気恥しさと何とも言えない感情で咄嗟に「大丈夫です!」と答えてしまったのですが、彼は一瞬怪訝な顔をした後にすっと立ち上がり、席をあけて下さったのでした。

慌てて「すみません...」と何とか絞り出して有難く座らせて頂くと、その男性は離れた席に連れの女性が座っていたようで、そちらに向かわれました。女性がにこやかに男性に席を代わっているところが見えました。

その後、バスは無事にゲートに到着。立って乗っていた方から順に降りて行くのを眺めながら、最後に降りようと思って待っていたら、先ほど席を譲って下さった男性とそのお連れの女性が横を通られました。

そこでもう一度、「ありがとうございました」と声を掛けたら......。

ぎゅうぎゅうのランプバスで...(画像はイメージ)
ぎゅうぎゅうのランプバスで...(画像はイメージ)

その男性が膝から下に装具を、腕にも固定するタイプの杖をつけていることに、気づきました。

彼は一瞬振り向いてから顔を赤くして、そのまま軽く会釈だけして足早に降りてしまわれたのですが、お連れの方がとても素敵な笑顔で「どういたしまして」と答えて下さりました。

「私が譲って貰うべきではなかったのでは」

ご自身も決して楽ではないなか、席を譲って頂けたんだと分かり、驚きでいっぱいでした。

そして、私が譲って貰うべきではなかったのでは、とショックでもありました。

譲ってくれた男性も、大変だったのに(画像はイメージ)
譲ってくれた男性も、大変だったのに(画像はイメージ)

私は中卒で、17歳で出産しました。当時は世間からの風当たりが厳しく、周りの目を異常に気にしていました。

そして、「別に辛くなんかないし、どう思われたって良い!」と変にピリピリしてもいました。

ですから、あのバスに乗り込んだ際もそんな気持ちから「別に平気だし!」と強がっていて、席を譲っていただいた時も厚意を素直に受け取れず、「大丈夫です」と答えた部分もあったのです。

ですが、あの時親切にしていただいたことで自分のひねくれた心を自覚し、本当に恥じました。きちんと感謝を伝えられなかったことへの後悔でいっぱいです。

ちゃらんぽらんだった私ですが、あれから「今度は自分が誰かの支えになれたら」と思うようになって必死に勉強し、今では介護福祉士として働いています。

あの日の出来事、あの時のあの方のことは、昨日のことのように鮮明に覚えています。一生忘れることは無いでしょう。

本当に有難うございました。あなたの親切な厚意を素直に受け取れなかった幼い私を、どうか許してください。


誰かに伝えたい「あの時はありがとう」「あの時はごめんなさい」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな誰かに伝えたい「ありがとう」や「ごめんなさい」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆さんの「『ありがとう』と伝えたいエピソード」「『ごめんなさい』を伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式X(@jtown_net)のダイレクトメッセージメール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのか、どんなことをしてしまい謝りたいのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、読者の皆さんに投稿していただいた体験談内の場所や固有名詞等の情報を、プライバシー配慮などのために変更している場合があります。あらかじめご了承ください)

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