6.5トンの超巨大鍋、運ばれる 〝山形の秋〟の始まり告げる光景に3.9万人興奮「この時期がキターーーッ!!」
サトイモ3.2トン、牛肉1.2トン、長ネギ3500本、コンニャク4000枚...
家族や友人達と芋煮会を楽しむ、それが山形の秋の風物詩だ。
1989年、「日本一大きな鍋で芋煮会をしよう」という掛け声でスタートしたのが、「日本一の芋煮会フェスティバル」。今年で36回目となる。
「とにかく地元を盛り上げたい、という目的で始まったのですよ」と協議会事務局の広報担当者は語る。
芋煮会のシンボルである大鍋は「鍋太郎」という名前。初代も直径5.6メートルと大きかったが、現在使用されている3代目は直径6.5メートルと、さらに巨大化している。重さは、4トンあるそうだ。
この鍋太郎でフェスティバル当日に調理する芋煮は、約3万食。具体的な食材の種類と量を尋ねると、担当者は次のように答えた。
「サトイモ3.2トン、牛肉1.2トン、長ネギ3500本、コンニャク4000枚、醤油700リットル、日本酒50升、砂糖200キロ、水道水6トン」(事務局広報担当者)
巨大な鍋と、「食は芋煮会にあり」と言いたくなるほど大量の材料。日本一の芋煮会を成し遂げるために行う運搬・会場での設置・鍋の蓋の開け閉め・撤去作業・洗浄など、すべての作業に10トンクレーン車が必要だという。
当然、調理にもクレーンを使う。「バックホー」と呼ばれる移動式クレーンが活用されるという。
「バックホーは、分解注油を行い、製造時に使用されたオイルやグリスをきれいに除去します。大鍋に浸すアームの稼働部分をすべて分解し、パーツの一つひとつを家庭用洗剤で洗浄します。
潤滑油がなければクレーンは動きませんので、機材油分をすべて除去した後はバター(もちろん食用の)を各パーツに指でていねいに塗り込んでいきます」(「日本一の芋煮会フェスティバル」公式サイトより)
潤滑油としてバターを使うとは......。おいしそうな匂いがしそうな重機である。
イベントに関わるスタッフの数は、約850人。調理するのは約3万食だが、入場者は3万人をかなり超えると予想される。会場となる山形市の馬見ケ崎河川敷では、事前の草刈り作業に追われるそうだ。
また当日もっとも注意したいことは、と担当者に尋ねると、「熱中症対策」と答えた。
「フェスティバル開催日は9月15日で、例年とあまり変わらないのですが、今年はまだまだ暑さが厳しいようですから、くれぐれもお気を付けいただきたいと存じます」(事務局広報担当者)
残暑の中、アツアツのサトイモをほおばる。汗をかきながら愉しむ、芋煮会。
これが、「日本一の芋煮会フェスティバル」の醍醐味だ。
ただし、あまり熱くなりすぎないように。熱中症にはくれぐれもご用心を。
救護所もいくつか配備される予定だが、各人がしっかり対策するのが一番だ。