小5による〝夏休みの自由研究〟がハイレベルすぎて3万人驚がく 「全てのクリエイターが『ありがとう』って涙する」
夏休みの宿題といえば、小学生時代の「自由研究」を思い出す人も多いだろう。
地域の住民に話を聞いて回ったり、何か工作をしてみたり、その内容は文字通り自由だ。
そんな中、ある小学生のこんな自由研究が、X上で注目を集めている。
こちらは、山口県在住のXユーザー・ナナ(@muzangahara)さんが2024年8月30日に投稿した画像だ。
床に置かれているのは、刃の部分にテープのようなものが巻かれた、手作り感あふれる剣。ナナさんの小学5年生の子供が自由研究で制作したものだという。
それだけなら、まさしく「小学生の自由研究の工作」といった感じだが、ナナさんの子供のそれは更に一歩先へ進んでいる。
なんと、ただモノを作るだけでなく、制作に至ったきっかけや、作るにあたって直面した課題、必要な材料、設計図などなど、詳細な情報を文章や図にしてまとめているのだ。すごい、本当に「研究」っぽいぞ!
Jタウンネット記者は9月2日、「光る剣」についてナナさんに詳しい話を聞いた。
ほとんど自力で作った
ナナさんの子供が「光る剣」を作ろうと思ったきっかけは、本人がレポートで説明しているように、お祭りで1000円で販売されていた市販品を見つけたこと。
欲しいけれど、自分のお小遣いで買うには少し高い。であれば、自作すれば安く済むのでは? と考えてのことだ。
ナナさんは、デザイン決めから表面の布貼り、ライトの配線など、制作はほぼすべて本人が行っていたと説明する。
「持ち手の分厚くて切りづらい部分などは私が切ったりしましたが、基本私は作り方の簡単な説明をしただけです」(ナナさん)
肝心の費用についても、電池代のかかるスティックライトではなく充電式のテープライトを採用するなどしてコストダウン。
結果、制作にあたっての出費が660円に留まり、本人も大いに喜んでいたそうだ。
目に見えない「コスト」もある
ただ、「光る剣」の材料には、すでに自宅にあった布やクラフトボード(ジョイントマットのような素材)、モバイルバッテリーなど、剣のために購入してはいないが、以前にお金を出して買っていた物も使われている。
そこで、ナナさんが改めて子供と「本当にこの剣は660円で作れるの?」「もし他の人に作ってもらうとしたらいくらぐらいになるんだろう?」といった話をした上で計算しなおしてみると、実際は材料費だけでも5000円ほどかかっている事が判明。
「(子供は)見えていないお金が思いのほか高額だったことに驚いた様子で、『お祭りで売ってた剣は高くなかった気がする......』と言っていました」(ナナさん)
ほぼ独力で作品を作り上げることも、勿論すごい。
ただ、本当にゼロから作った場合や、誰かに制作を依頼した場合にかかるコストの大きさを計算し、その上で「お祭りで売られていた剣の値段は実は高くなかったかもしれない」という結論まで辿りつけたことも、素晴らしい。本人にとっても、非常に有意義だったに違いない。
なかなかにハイレベルな小学5年生の自由研究に、X上では3万件(2日夕時点)のいいねのほか、こんな声が寄せられている。
「自由研究の工作って『作って終了』にしてた気がします。そこから『考察』まで加えるのすごい」
「作って終わりじゃなく、その感想と考察、自分なりの結論が入ってて、自由研究として100点満点だと思いました」
「造形を生業としているものとしては、この研究結果に行き着いた事に感動を覚えます」
「おそらく、この世の全ての作家、クリエイター、表現者が『ありがとう』って涙する内容だと思いました」
こうした反響に対してナナさんは、「本人はあまり実感がなさそう」としつつ、
「後日コスプレイベントに遊びに行った時に、お知り合いの造形レイヤーさんたちに『自由研究見たよー!』ってたくさん言ってもらえて嬉しそうにしていました」
と振り返った。