壁に切れた電線が絡まりまくり? 茨城で不思議なビルに近付いたら「立派なアートで衝撃」...日常を変身させた企みに反響
壁画アート制作の理由とは
電柱の壁画アートの作者は、現代美術作家の上原耕生さん。アートを活かしたまちづくり事業の一環として大子町が2017年に取り組んでいた「Street BUG」の作品のひとつだ。
上原さんはこのプロジェクトで4枚の壁画を手掛け、19年の「大子まちなかアートウィーク2019」以降に3作品を追加。作品群は「ダイゴアート街道」と名称が改められ、陸大子駅周辺の商店街などで現在も見ることができる(修復中の作品を除く)。
上原さんは、学生時代から路地の何気ない外壁に興味を持っていた。気になる場所があれば壁画の制作や展示をさせてもらうことができないか考えていた、と記者の取材に話す。
「大子町では商店街が少しずつ寂しくなってきているので、ちょっとした遊び心で通りの外壁を演出できたら面白い通りになるのではないかと考え、町の方々に協力してもらいながら制作しました」(上原耕生さん)
話題になった電信柱の壁画は、題材から使用素材まで、全て日常で見慣れたものばかり。そこにはできる限り素朴な場所や素材を使いたいという、上原さんのこだわりがあった。
「これら(編注:電信柱や外壁、ワイヤーなど)は僕らの身近にあるもので、普段美や好奇の対象として意識することのない物同士ですが、視点を変えることで、日常が少しだけ豊かな気持ちになるのではないかと思いました」(上原耕生さん)
いつもの風景を、見慣れたアイテムでアートに変身させようという上原さんの企みは大成功だったと言っていいだろう。Xでは1万9000件を超えるいいね(31日時点)のほか、絶賛の声が数多く寄せられている。
「コレ凄いわ 本物のアートだ!」
「野生のバンクシー」
「面白い芸術だね 見に行ってみたい」