「満員の新幹線で泣き出した隣席の赤ちゃん。冷たい目線を浴び始めたので『外であやしてくれば』と母親に言うと...」(神奈川県・70代以上男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Uさん(神奈川県・70代以上男性)
Uさんは50年前、帰省のために新幹線に乗り込んだ。
隣の席にやってきたのは、赤ちゃんを抱えた女性と小さな男の子。
電車が順調に出発したかと思いきや、まさかのトラブルが起きてしまい......。
<Uさんの体験談>
今から50年ぐらい前、新幹線で田舎へ帰省したときの話です。
長い遠洋航海を終え九州の小倉に帰るため、東京駅から新幹線に乗り出発を待っていました。
隣の席の赤ちゃんが泣き出し...
すると隣の席に赤ちゃんを抱いた里帰りの若い奥さんと小さな男の子が、旦那さんに見送られながら乗ってきました。
午後1時頃、順調に東京駅を出発したのですが、名古屋でトラブルが起きてしまい、それから夜中まで、電車は名古屋駅に止まったままでした。
おまけに前の方で止まっていた電車で病人が出たとのことで駅に戻ってきたため、それに乗っていたお客さんたちも私達の電車に乗ってきてすし詰めの満員状態になりました。
そんな車内で、隣の席の赤ちゃんが泣き出し、周りから冷たい目線を浴び始めました。
そこで私は彼女に
「男の子は私が見ているので外で少しあやしてくれば」
と言って男の子と一緒に絵(ドラえもん)を描いたりして遊んでいました。
長い道のりだったが...
やっと電車が動き始めましたが、まだ到着まで長くかかります。
今度はバックを降ろして男の子が寝られるようにしました。
彼女も小倉で降りるようでしたが、まだ車内も混み合っているので子供を連れて先に降りるようにと言いました。
自分の荷物を降ろすのは後にして、間に合わなければ博多まで行けばいいと思っていましたが、彼女のお父さんが車内に乗って来てくれたことで、私も小倉で降りられました。
出発した翌日の朝6時、隣の席の親子も私も長い里帰りでしたが、無事到着しました。
懐かしい大変な思い出ですが、新幹線を見るとふっと思い出し、「もうあの子は良いお父さんになっているのかな」と思うことがあります。
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