「夜の駅のホームに制服で立ってたら、知らないオジサンが『どこに行くの?』。動揺してたらお金を渡されて...」(静岡県・50代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Kさん(静岡県・50代女性)
受験の帰り道、Kさんは予想外のハプニングに見舞われた。
大雪の影響で、乗ろうと思っていた電車が動かなくなったのだ。
<Kさんの体験談>
あれは高校三年生の冬、北関東にある大学を受験した帰りのこと。
田舎者の私はもちろんそこへ行くのは初めてだし、そもそも電車を利用するのも未経験。だから事前に往復の切符を準備して受験に臨みました。用意周到だったはずでした。
「お乗り換えを」と言われても...
しかし、帰路は予想外の大雪に見舞われ、常磐線は大幅遅れ。それでも東京駅にやっとの思いで辿りつき、東海道本線に乗って発車を待ちます。そこで、突然のアナウンスが流れました。
雪のためポイントが故障し、発車の目途がたたないため、「お乗り換えを」と。
その時はもう夜で、東京に知り合いもいません。新幹線は動いていましたが、切符を買うほどのお金は持ち合わせていません。そして、次の日は別の学校の入試でした。
どうしたらいいんだろう。制服のままボーゼンと、雪のホームに立ち尽くしました。
するとそこへ、50代くらいのオジ様が声をかけてきました。
「どうしたの? どこに行くの? 新幹線なら動いているからそっちのホームへ行きな」
そう言われて「あ、でも......」と動揺していたら、お財布からサッとお札を出して「これなら帰れるよ、新幹線も動かなくなる前に早く行きなさい」と手渡してくれました。
お金をもらい、名前と連絡先を聞くと...
その時に名前と連絡先を聞いたのですが、「いいよいいよ」と手を振って、別のホームに行ってしまいました。
おかげで私は無事に帰ることができて、翌日に受験した学校に合格し、現在の仕事に就くことができました。
今のようにSNSもなく、探したり感謝を伝えたりする術もなく現在に至ります。
あの時のオジ様、本当にありがとうございました。
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