「義実家がある街に移住した私。子供にねだられ鯛焼きを買ったら、店員に思いがけないことを言われて...」(静岡県・50代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~投稿者:Tさん(静岡県・50代女性)
Tさんは結婚後、子供たちと一緒に夫の実家がある街に移住した。
家族以外、誰のことも知らない場所。うまくやっていけるか、不安に感じていたという。
<Tさんの体験談>
夫の実家の近くに家を新築し、浜松市から掛川市に引っ越してきたばかりの時にあった出来事です。
夫には地元や職場の繋がりがありますが、私や子供たちには知っている人がまだ誰も居ません。そんな場所で、うまくやっていけるのか不安を抱えながら過ごしていたころでした。
子供のことばかり考えていて...
その日は、当時小学1年生の長男と保育園の長女を連れて、最寄りのスーパーで買い物をしました。その帰り、店の前で鯛焼きを売っているおじさんを見つけました。
子供たちが食べたいというので、「2個ください」と声をかけました。おじさんは「あいよ」と鯛焼きを袋に入れてくれます。そして......
「はい、お母さんも食べな」
と言って、鯛焼きを3つ渡してくれたのです。
いつも子供のことばかり考えて、自分のことは後回しにするのが普通になっていたので、思いがけず自分に向けられた優しさに、緊張していた心が溶けていくような気がしました。
おじさんの笑顔と鯛焼きで、この土地でちゃんと生きていけそうな気がして、幸せな気持ちになりました。
あれからもう20年以上が経ちましたが、あの優しさは今でも忘れることができません。
おじさん、どうしてるかな。今も元気かな。
子供たちは立派に成長して、私も元気で生きてます。あの時は本当に有り難うございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)