「静まりかえった新幹線で1歳児が大泣き。通路まで満員で動けず、泣き止ませることも出来ずにいると...」(北海道・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Oさん(北海道・30代女性)
帰省を終えたOさんはその日、1歳の長女を連れて片道4時間の電車に乗った。
年末で駅や車内は混雑。そんな中で娘が泣きだしてしまうことを、彼女は恐れていて......。
<Oさんの体験談>
現在9歳になる長女が、1歳の頃の話です。
娘を連れての帰省を終え、帰路は電車で約4時間。年末が近かったので指定席のチケットが取れず、仕方なく18時発の自由席のチケットで帰ることになりました。
嫌な予感が的中して...
電車に乗り込む人はみんな疲れ顔。駅にはいつにもまして人が多く、お仕事帰りのような人や、大きなキャリーバッグを持つ旅行客などで溢れかえっています。
私は幸い席に座ることができましたが、発車までの間にどんどん人が乗ってきて、通路やデッキまでぎゅうぎゅう詰め。人の多さに不安になった私は、抱っこしている娘が泣きだしてしまったときのことを考え、「やっぱり降りよう」と思い立ち上がろうとしました。
しかし旅行客のキャリーバッグや人で遮られ立つに立てません。このまま帰るしかないと諦めたのですが......。
電車が出発し、1時間くらいたったころ。多くの乗客が寝ているという状況で、嫌な予感が的中。抱っこされながらスヤスヤ寝ていた娘が突然目を覚まし、泣き出したのです。
シーンと静まり返った車内に、わが子の力強い泣き声だけが響き渡る。地獄とも思える瞬間でした。
あやしてもお菓子を与えても泣き止まず、立ち上がることも出来ないので途中下車もできず......。
困り果てていると、横からタブレットを差し出してきてくれた人がいました。私の座席のすぐの通路のところに立っていた外国からの旅行客でした。
タブレットに流れていたのは...
タブレットにはその方たちが飼っている犬の動画が流れていました。何をしても泣き止まなかった娘はその動画を見てピタッと泣き止み、キャッキャと笑い始めたのです。
動画だけでは飽きると思ったのか、その人たちは手を使い犬の真似をしてくれたり、私にも「Don't worry」と言って肩をポンポンとしながら気遣ってくれたりと、とても優しい方たちでした。
たくさん遊んだりお話ししてくれたおかげで、娘はまた眠り出し、その直後、その方たちは下車。それから娘は降りるまでずっと眠っていてくれて、本当に助かりました。
私たちが日本人ということもあり、「言葉は通じない」と機転を効かせ咄嗟に動画で見れるタブレットを差し出してくれたのかなぁ。とても心があたたかくなった瞬間でした。
心から感謝すると同時に、私も困っている人がいたら相手が誰であろうと絶対に助けてあげたいと思えました。
8年が経った今でも、当時のことは鮮明に記憶に残っています。あの時は本当にありがとうございました。
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