国指定史跡の中で「水鉄砲合戦」しませんか? 宮崎市役所が呼びかけ→詳細を聞いてみた
「国指定の山城でサバゲー合戦をしませんか!?」
2023年10月18日、ある組織がプレスリリースでそんな呼びかけを行った。
なんでも、宮崎県宮崎市になる国指定史跡「穆佐(むさか)城跡」を舞台に、"水鉄砲を使った山城陣取り合戦"を開催しようと考えているというのだ。
歴史的に貴重な場所であるはずの史跡で、サバゲー。「そんなことして、大丈夫なの?」と思った人もいるかもしれない。
しかし、安心してほしい。
なにを隠そう、この呼びかけを行った「ある組織」というのは、「宮崎市役所」なのである。
策士・宮崎市にまんまとやられた
宮崎市役所がプレスリリース配信サービス「PR TIMES」上に発表した情報のタイトルは「【宮崎県宮崎市】国指定の山城でサバゲー合戦をしませんか!?」。
サブタイトルとして、こんな文言も掲載されていた。
国指定の山城・ムカサ城を舞台とした水鉄砲合戦。「戦国サバゲー ムカサ2024」を一緒に盛り上げてくれる企業や団体を探しています!
穆佐城跡は、宮崎県内で最も古い時期から存在する山城のひとつで、南北朝時代から江戸時代の初期まで数々の戦乱に巻き込まれてきた。
全長600メートル。今でも大規模な城の全容が良好な状態で保存されているらしいが......「残念なことに、一般市民にとって天守や石垣の無い山城は、普通の山か丘...」(プレスリリースより抜粋)。
というわけで、宮崎市はそんな現状を打破するべく、企業や団体と共にサバゲーを開催しようと考えているらしい。
一体、どんな策略があるのか。Jタウンネット記者は19日、宮崎市教育委員会 文化財課を取材した。
文化財課が穆佐城跡でイベントを行うのは、この場所が「お城」という言葉でイメージしがちなものとは異なる「山城」だからだ。イベントで活用することで「こういった山城もある」とアピールし、価値を高めていきたいと考えているという。
今までも弓矢体験・手裏剣体験などを実施してきたが、それが 市民には浸透したとはまだ言えない。
何をすれば認知度が上がるのか、どうすればいろんな層に使ってもらえるお城になるのか――
考えた結果、出てきたのが「山城で水鉄砲合戦」というアイデアだった。 また、実はこんな目論見もあったという。
「奇抜なイベントを企画し、PRタイムズに載せることにより宮崎市に注目してもらう」
......!! Jタウンネット記者はまんまとこれに引っかかってしまったのだ。
なんとも策士である。
ちなみに企画自体はまだ完全に手探り状態。企業や団体からいろんなアイデアを募集しているとのこと。
「やぁやぁ我こそは!」というアイデア豊富な皆さんは、ぜひ文化財課に連絡を。
なお、市が現在考えているイベントは、こんな感じ。
<実施イメージ>
・開催時期:2024年11月頃
・場所:国指定史跡「穆佐城跡」
・内容:水鉄砲を使った山城陣取り合戦 (城を攻める200名 城を守る100名)※親子連れの参加を予定しているため、スポーツ感が強いイメージ。
・対象:一般(小学校4年生以上、小学生は原則保護者同伴)
・必要機材等:水鉄砲、ポンチョ、バケツ、タンクなど
・スポンサー宣伝ブース等の設置:原則可
<対戦形式イメージ>
1案(スポンサー企業が2社の場合)
A社vsB社 大将はそれぞれの会社の社長等。
会場管理は文化財課が主。
各機材に各自社ロゴを入れる等は原則可。
2案(スポンサー企業が1社の場合) A軍vsB軍 大将は参加者の中から抽選。
会場管理は文化財課が主。
各機材に自社ロゴを入れる等は原則可。
※1案、2案以外も検討中。