ついに真打登場!? 奈良・天理ラーメンの元祖「彩華ラーメン」がカップ麺に
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百十八回 ローソン限定「彩華ラーメン監修 旨辛醤油ラーメン」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百十八回目となる今回は、ローソン限定で発売されたサンヨー食品のカップ麺、「彩華ラーメン監修 旨辛醤油ラーメン」をレビューします。
「彩華ラーメン」は、奈良・天理に本店があり奈良県を中心に店舗展開するラーメン店です。
「彩華ラーメン」は「天理ラーメン」の元祖
「彩華ラーメン」の看板メニューは「サイカラーメン」。辛味やニンニクを強く効かせた醤油味のスープに炒めた白菜やニラをのせたラーメンで、奈良・天理のご当地ラーメン「天理ラーメン」の元祖として知られています。
現在では、急速にチェーン展開した「天理スタミナラーメン」(天スタ)とともに「天理ラーメン」のツートップ的な存在となっており、天理市民や奈良県民は「彩華派」と「天スタ派」に二分されている状況。
ちなみに筆者は両店とも食べたことがあり、両者とてもおいしかったのですが、比較的マイルドで野菜の旨みが感じられる「天スタ」よりも、ニンニクが強力でジャンキーな「彩華ラーメン」が好みでした。
「天理ラーメン」の味を再現したカップ麺は現在も寿がきや食品やヤマダイから発売されており、二強の一角である「天スタ」もこれまでにエースコックから何度かカップ麺化されていました。
その一方で、元祖の「彩華ラーメン」は筆者の知る限りでは今回が初のカップ麺化。
いよいよ「天理ラーメン」の真打ち登場といったところでしょうか。
「彩華ラーメン監修 旨辛醤油ラーメン」食べてみた
「彩華ラーメン監修 旨辛醤油ラーメン」の内容物を見ていきます。
フタを開けると中には別添袋がひとつ。カップには麺やスープ粉末の他に、白菜キムチやニラなどが入っていました。
麺量は50グラムで少なめ。
価格も税込218円で他の名店再現系カップ麺と比べて安価な設定で、「天理ラーメン」の真打ち登場の割には控えめな商品のように見えます。
ニンニクが香るピリ辛スープ
スープはポークベースの醤油味にニンニクや豆板醤を効かせていて、白菜や玉ねぎなどの野菜の旨みも感じられます。
全国的に流行りの辛味やニンニクを効かせたスタミナ系ラーメンの要素と、野菜の旨みが凝縮したタンメン的な要素がひとつに合わさったような味で、それほど辛いわけではないので比較的人を選ばずに好まれそうな味に仕上がっていました。
「彩華ラーメン」の特徴として、「天スタ」に比べてニンニクが強力なことがあげられますが、今回のスープはお店のようなジャンキーなニンニクの強さはありません。
また、お店ではベース部分で鶏ガラが強く感じられ、辛味やニンニクの中に昔ながらのラーメンの懐かしい味わいも感じられるのですが、今回のスープでは鶏ガラの存在感は皆無でした。
辛味のおとなしさも合わせて、コアな彩華ファンには多少物足りないかもしれません。
商品が安価なことに加え、パッケージには「旨辛醤油ラーメンは店舗で提供されておりません。」との記載もあり、お店の味を忠実に再現する意図はなさそうです。あくまで「彩華ラーメン監修」のカップ麺、ということですね。
白菜キムチやニラで具は充実
麺は、中細で縮れのついたやや平打ちの油揚げ麺。
お店の細めの麺に比べるとひとまわり太く、形状にも違いがありました。
お店の麺を再現したというよりは、既存の麺からスープと相性の良いものを選んでいる印象です。
「彩華ラーメン」はガッツリ系のイメージが強いので、麺量50グラムではだいぶ物足りない感がありました。
スープや麺と比べると具は健闘しています。入っているのは白菜キムチ、ニラ、挽肉。
お店では白菜キムチではなく白菜ですが、酸味やシャキシャキ感がスープとぴったりマッチ。ニラもたくさん入っていました。
ただ、お店の野菜は炒めてあるのですが、今回の野菜に炒め感はありませんでした。
いずれ本格的な「彩華ラーメン」も食べたい
奈良県のご当地ラーメン「天理ラーメン」の真打ち「彩華ラーメン」の待望のカップ麺でした。
お店の味を忠実に再現しているというよりは、安価な価格設定や多くの人に親しまれる味を追求しているためか、「彩華ラーメン」の大きな魅力であるジャンキーなニンニクや辛味、ボリュームは物足りなかったです。
いずれ、「彩華ラーメン」の味を忠実に再現した本格的なカップ麺も食べてみたいですね。