「小学校の夏休み、家族で行った海水浴。どんどん泳いで1人になったとき、知らないオジサンに声をかけられて...」(富山県・50代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Nさん(富山県・50代女性)
当時小学生だったNさんはその日、家族と一緒に海へ遊びに行った。
泳ぎが得意な彼女は1人でどんどん泳いでいく。そして深いところまで行ったとき、見知らぬおじさんに声をかけられて......。
<Nさんの体験談>
それは私がまだ小学校高学年だったころ。夏のある日、家族と一緒に海に行きました。
泳ぎには自信があった私は、当時は学校の代表として市の水泳大会に出るために、毎日プールに通って練習していました。そのため、海でも自信過剰になり、得意になって泳いでいたんです。
ずっと見ていたらしい
浮き輪代わりになると思ってビーチボールを抱えていたこともあって、私は安心していました。しかし、ふと気がつくと足が届かない深い所まで来ていました。
「こんなの簡単簡単」と思っていたのですが、泳げども泳げども波に流されて浅瀬には行けません。その時、見知らぬおじさんが私に声をかけてきました。
「大丈夫? 浅いところまで連れてってあげようか?」
でも、その時の私は知らないおじさんを警戒して「いいです」とお断りしました。まだ自分で泳いで戻れると思っていたのです。
それでも、だんだんバタつかせている足も疲れてきて、頭には直射日光が照りつけ、私は気が遠くなりそうに。すると、さっきのおじさんが来てくれて、私を足が立つところまで連れて行ってくれました。
どんなに足をバタつかせてもどんどん沖に流されていく私を、そのおじさんはずっと見ていてくれたのだと思います。
今でも夏になると思い出す
恥ずかしいのと、怖いのと、格好悪いのと、いろいろな気持ちが渦巻いて、私はおじさんにお礼も言わず、振り返りもせず、砂浜に走っていきました。
あの時、あのおじさんがいなかったら、今の私はきっといません。
「ありがとう」を言えなかったことを、50代になって、孫がいる今でも夏になると思い出します。
私を助けてくれたおじさん。もしかしたらお兄さんだったかもしれません。おかげで私の人生はとても楽しく、幸せです。あの時は本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)