まさか「ダイダラボッチ」? 山の中からこちらを見つめる巨大な「目」の正体とは
「山の目」の謎が判明
制作者は相模原市在住の造形作家・高橋政行さん。話題となっている作品は「山の目」という野外アートだ。
1988年、神奈川県と旧藤野町(現在は相模原市に合併)が立ち上げたアートで地域振興を活性化させる「ふるさと芸術村構想」。
「山の目」はその第一弾の企画として行われた野外環境彫刻展のために制作された。
これからの時代は「人間が環境とどう向き合うか」がテーマになると感じていた高橋さんは、作った作品を野外に置くという発想ではなく、自然環境の宝庫である旧藤野町の自然を主人公にするとの思いから、この「山の目」を考案したという。
「山が見る人に何かを伝えようとしてきているという意味合いで、結果的に山そのものに人格を持たせるというデザインを考えました。
目というのは人に対する『認識力』という意味では一番アピールできるシンボリックなものなので、主人公を自然そのものにするという発想です」(高橋さん)
制作に使用した材料は木の枝やキャンバスシートなど。目玉の真ん中部分は完成当時から現在まで、変わらず同じ真鍮の円盤を使っている。
車や重機は使えなかったため、材料の運搬などは全て人力で行った。確認や修正を挟みながら、一ヶ月半ほど毎日山に通い続けて制作したという。