彼は呉服屋へと入っていき...
「どうかしましたか?」
と聞いてくれたヤンチャそうなお兄さんに事情を話すと、彼は呉服屋さんへ入り、お店を開けてくれました。
呉服屋さんのお孫さんだったのです。
奥さま、おばあさまが対応してくれて、着付けをしてくれ、うちわまで頂いて、お金も受け取らず笑顔で「楽しんでね」と送り出してもらいました。
最初に声をかけてくださったお兄さんは、帰り際に缶ビールまで渡してくださいました。
初対面の見ず知らずの人間に、家族ぐるみで、そこまで良くしてくださる方に私は会ったことがありませんでした。