魚人「写真撮ってもらってもいいですか」 東京・豊洲で謎の異形に遭遇!果たしてその正体とは
夏真っ盛りの2023年7月17日、Jタウンネット記者は東京都江東区の「豊洲ぐるりパーク」を訪れていた。
文字通り豊洲市場をぐるりと囲む公園で、散歩や釣りをする人々で賑わうスポットだ。 そこで記者は、出会ってしまった。
夏空の下、柵越しに海を眺める"魚人"と――。
えっ、何、こわ......。恐れおののく記者。しかし勇気を振り絞り、顔を覗き込んでみた。
とてつもないド迫力。怖すぎてその場から動けなくなってしまう。
この後どうなってしまうのだろう、もはやこれまでなのか......!?
まさかの展開に
ここから逃げ出すにはどうしたらいいのか。金銭をお支払いすれば見逃してくれるのか? そんなことを考えていると、魚人は無言のままそっと何かを差し出してきた。
渡してくれたのは黒いごみ袋と、青色の収納ケースだった。
魚人は道を通る人々や、釣りやBBQを楽しむ人々にも同じモノを配る。その絶大なインパクトに、老いも若きも男も女も日本人も外国人も、誰もが釘付けになっていた。
カンカン照りの中をしばらく歩き回ると、魚人は近場に腰掛け、スマホ休憩を挟んでいた。
そして言った。
「写真撮ってもらってもいいですか」
突然の依頼に再び驚いたが、写真を撮ってあげた。
表情からは何も読み取れなかったが、自分の映り具合を確認し「ありがとうございます」と魚人さん。なんだか心がほっこりとしてしまった。
魚人の正体は
実は魚人はもう一人存在していた。
黒っぽい大きな魚人と、少し黄色っぽい姿の魚人。彼らは何者なのか。何故ここにいたのか。聞けば2人は、「釣りマナーが改善された未来から来た釣り人」だという。
マグロとアジのコンビで、日本釣用品工業会が開催する釣りマナー向上の啓発イベントのために、遥々未来からやってきたそうだ。
未来から来た釣り人さんと、啓発イベントを主催した日本釣用品工業会・第1事業部長の柿沼さんがポーズを決めてくれた。
日本釣用品工業会によると、今回のイベントの背景にはコロナ禍をきっかけに釣り人口が増加していること、それに伴って「釣りマナー」に関する問題が発生しているという現状がある。空き缶やペットボトル、釣りの糸くずや使い終えたエサが放置されるという事態が全国の釣り場で発生。それに便乗して、ゴミを投棄していく人もいるという。
そこで以前から持続可能な釣り環境構築のために行っていた「LOVE BLUE事業」の一環として、啓発イベントを実施。「てはじめにマナー」というキャッチフレーズと共に、釣り人をはじめ広く社会全体へ「マナーを守ると釣りはより楽しい」というメッセージを伝えたいと考えた。だから未来から来た釣り人たちは、海の日である17日に豊洲ぐるりパークと城南島海浜公園を歩き、ごみを自分で持ち帰るための「ギョミ袋」を配布してまわっていたのだ。
「未来の地球や釣り場環境を楽しく守って いきましょうという想いを『未来から来た釣り人』の姿に託しました」(柿沼さん)
日本釣用品工業会と一緒にマナーを守ることの大切さを教えてくれた、未来から来た釣り人さん。みんながゴミを持ち帰るようにすれば、いつの日かまた、会えるかも......?