「生まれた時から耳が聞こえない私。話しても通じないのに担任の先生が『誕生日会の司会』に指名してきて...」(山形県・40代女性)
できないことが「できる」に変わることもある
そして迎えたお誕生日会当日。私は黒板に書いて指をさしたりして、何とか司会進行をしました。
終わった後は「全く...」としか思っていませんでした。
でも、今振り返ると、あの時の先生の言葉は本当に大事なことだったのだ、深い意味があったのだなと分かります。
障害があるとできないことはある。健常者と同じようにすることはできない。
そこを無理して、同じようにできるようになろうとするから劣等感が生まれる。
障害がある自分と健常者を比較し、自分はあれもこれもできないダメな人間なんだと思って自分に自信が持てなくなる。
そうではなく、障害があることを受け入れ、何ができないのかを理解し、その上でどんな工夫をしたらできるようになるのか? どうすればいいのか? 周りにはどう協力をお願いすればいいのか? などを考えて工夫する。
すると、できないことが「できる」に変わることもある。
また、自分ができることを探し、できることを最大限やることで自分自身を伸ばすことができる。
また、社会にも貢献できるかもしれない。そこから自分自身への自信につながる。
先生は私に、そういうことを気づいてほしかったのかもしれません。
振り返ればあの出来事は私のターニングポイントだったと思います。
あの時の先生がまだご存命かは分かりませんが、いつか会えたらありがとうと伝えたいです。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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