千葉県には「空から生える蛇口」があった 誰が何のために作ったの?設置者に聞く
ジャンボ蛇口、爆誕の理由は
ダイエックスは給排水設備の施工などを行う企業。戸田会長によると、蛇口は水を大切にしてほしいというメッセージを込めた「看板」で、1990年代の水不足をきっかけに誕生したものだという。
雨が降らずダムの貯水量が極端に減る中、当初は水を大切にしようという内容の垂れ幕を設置していたのだが......。
「文字というのは車で走っていると見えても心の中に残るようなものじゃないので、じゃあ一発でパッと見ておっと感じるものをと考えた結果、ジャンボ蛇口が生まれたんです」(戸田栄造社長)
そのヒストリーを聞くと、「ジャンボ蛇口」は初めから今の場所にあったわけではないらしい。
ジャンボ蛇口ができたのは1996年5月。柏市十余二にあったダイエックスの柏営業所(のちに柏支社)に10メートルほどの高さで建てられた。
しかし都市開発で大型店舗が増え、車の往来の増加で車が入りづらくなったため支社を柏市みどり台へ移転。それに伴い、ジャンボ蛇口は松戸市内にある本社に移設されることになった。
そして08年、柏支社が再び十余二に移転した際、その入口前にまた移されたが、それも区間整理の関係で撤去を依頼され、21年5月頃に同社の関連会社であるダイエックスホールディングス(戸田会長が社長を務める)が管理する資材置き場に移動した。撮影者・ぽぽふさんがジャンボ蛇口を見たのは、その場所だ。
なお現在の柏支社の入り口前に設置されていた頃は、劣化の恐れから支柱の高さを低くしていたが、資材置き場に移ってからは支柱を交換し、再び10メートルほどの高さに戻ったのだとか。
絶大なインパクトをもつジャンボ蛇口。戸田会長によると、こんなこともあるそうだ。
「うちの社屋から200メートルぐらい離れているんですが、
タクシーに乗ってうつらうつらしているとそっちに止められちゃうこともあります」
(2023年7月3日21時10分編集部追記:記事初出時「ダイエックスホールディングス」の社名の表記に誤りがありましたので修正しました。)