「教育実習生が『何でも書いて』と配った質問用紙。小学生だった私が体の悩みを打ち明けると...」(東京都・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Tさん(東京都・30代女性)
Tさんが小学生時代出会った教育実習の女学生はいつも優しく笑顔で、児童たちに慕われていた。
ある日、Tさんが自身の悩みを文章にして打ち明けると、彼女から返事の紙を渡されて......。
<Tさんの体験談>
私が小学生のとき、教育実習に来ている女性の学生さんがいました。
その女性は子ども達から「先生」と呼ばれ、いつも優しくニコニコしていて、「先生の担当のクラスで良かったな」と思うほど皆から慕われていました。
「今は辛いかもしれないけど...」
ある授業の後に、「悩みがあれば書いてください。心のこと、体のこと何でも大丈夫」と書かれた質問用紙が配られました。
私は生まれつき足にアザがあり、小学生の頃はレーザー治療をしている最中でした。周りの子には無いものがどうして自分だけ、と思っていました。
レーザー治療はとても痛く、針をグサグサと刺されているようで、治療する度に大泣き。痛くて痛くてもうやめたい......そんなことを書きました。
すると数日後、担任の先生から紙を手渡されました。開いてみると、それは教育実習生の彼女からのお返事で、そこにはこう書かれていました。
「痛くて辛いのに頑張っていてえらいね。今は辛いかもしれないけど、いつかやって良かったと思う日が必ず来るから」
お返事をもらえるとは思っていませんでした。そして、自分の悩みなんてちっぽけで誰にも分かってもらえないと思っていたので、私は読みながら泣いてしまいました。
アザは「頑張った証」と思えるようになった
それから何度かレーザー治療をしましたが、完全にアザが無くなることはないと言われたので断念し、大人になった今も足にアザがあるままです。
しかし、昔は恥ずかしくてたまらなかっただけでしたが、お手紙をもらってから20年以上経った今は、アザが恥ずかしいものでははく、頑張った証と思えるようになりました。
先生は教師になりましたか? お手紙をもらったのは、先生の実習が終わった後だったのでお礼さえも言えないままでした。
実は私も、学生の時に教育実習をしたんですよ。先生のように頼りになる実習生ではなかったけど、こんな気持ちでいたのかな、などと、先生のことをよく思い出していました。
小学生だった私にも、全力で気持ちを伝えてくれて、本当にありがとうございました。おかげで今でも前向きに生きることができています。先生に届きますように。
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