道の上で「マグマシティ」をアピール中 鹿児島市のマンホールにいるカワイイやつら「マグニョン」って一体ナニモノ?
まず上の写真を、じっくりご覧いただきたい。
鹿児島市内の歩道にあるマンホールの蓋らしい。「あなたとわくわくマグマシティ 鹿児島市」と記されている。
イラストの中で噴煙を上げているのは桜島のようだが、その前に並ぶ、不思議なイキモノたちは一体? 「マグマシティPRキャラクター 火山の妖精 マグニョン」と書かれている。......何のことだか分からない。
Jタウンネット記者が彼らのことを知ったのは、2023年5月10日放送の「news every.」(日本テレビ系)だった。海外から来た観光客がこの「マグニョン」の可愛さに驚いたというのだ。
マグマシティとは何か。マグニョンとは何なのか。
Jタウンネット記者は鹿児島市役所に詳しい話を聞いてみた。
火山から生まれた人とは?
Jタウンネットの取材に応じたのは、鹿児島市総務局市長室広報戦略室の担当者だった。
鹿児島市は「あなたとわくわくマグマシティ」を合言葉に、市内外に鹿児島ファンを増やそうとシティプロモーションを行っている。
「火山の妖精マグニョン」はそのPRキャラクターで、鹿児島市のプロモーション動画を制作するため視察旅行に参加した、東京藝術大学大学院映像研究科院生・卒業生チームのニコラス・グアリン氏と齋ジュリア愛氏の手によって生まれたという。グアリン氏はこう語っている。
「鹿児島市の人にとって桜島は切っても切れない関係にあり、もしかすると鹿児島市の人の元気と温かさは桜島から生まれているのではないか。こうしたことを想いながら、『火山から生まれた人』というアイデアでキャラクター化しました」(ニコラス・グアリン~東京藝術大学ウェブサイトより)
火山から生まれた人「マグニョン」のメンバーは4人(?)。リキニョン、マルニョン、メガニョン、ベビニョンと名付けられている。それぞれの特徴については、ツイッターの「火山の妖精 マグニョン【公式】」(@magnionofficial)が紹介していた。その内容を引用しておこう。
桜島と愉快な仲間たち、といった感じだ。
足元から感じるマグマパワー
「火山の妖精マグニョン」が誕生したのは、2019年3月だから、もう4年も前のことになる。シティプロモーション動画のYouTube公開や、LINEスタンプ制作(2021年1月、「鹿児島市公式!マグニョン.西郷どん」32種1セット)など、さまざまな活動を展開してきた。
2022年3月からはマンホールの蓋にも登場。現在、鹿児島中央駅~天文館~水族館口とマンホールを巡りながら歩いて楽しめるよう、10箇所に設置されている。
新幹線で鹿児島中央駅に降りた観光客は、歩道上の「火山の妖精マグニョン」マンホール蓋を辿りって歩いて行くと、市内随一の繁華街・天文館に着く仕組みだ。
マンホール蓋デザインについて、市の担当者はこう説明する。
「桜島のマグマのような情熱やぬくもり溢れる鹿児島市民の気質を表現したマグマシティPRキャラクター、火山の妖精『マグニョン』と、鹿児島市を本拠地としているプロスポーツチームや観光名所、名産品を掛け合わせたマンホール蓋デザインを採用しました」
「マグニョンは、みんな似たようなフォルムをしているけれども、がっちりしていたり、丸かったり、メガネのようなものをかけていたり......、一人ひとりに違いがあります。その違いを見つけるとともに、鹿児島市の魅力ある風景や名産品に思いを馳せてみてはいかがでしょうか」
それにしても、歩道にあるマンホール蓋に目を止めたインバウンド客の観察力は、大したものだ。足元から、マグマパワーを敏感に感じとったのかもしれない。
なおデザインマンホール蓋の観賞や写真撮影は、他の歩行者などの通行の妨げにならないよう、周囲の安全に十分注意してほしいとのことだ。
SNS上で「マグニョン」を発信!
鹿児島市は、ツイッター「火山の妖精 マグニョン【公式】」アカウントの他にも、インスタグラム(@magnion_official)など、SNSの運用に力を入れている。
SNS上で行ったキャンペーンで公募した「4コマ漫画」も発信。漫画の制作には、地元クリエイターも参画しているという。
また「お絵かきマグニョンコンテスト」や、「マグニョンを探せキャンペーン」で隠れたマグニョンを探して投稿してもらう、など楽しい企画も用意されているらしい。
SNSを中心に、マグニョン人気が盛り上がっていることについて、鹿児島市担当者はこうコメントした。
「桜島から生まれた鹿児島市のキャラクターが、こうして多くの方の目に留まってくれてとてもうれしいです。頭には桜島、ハートにはあたたかさや情熱を持った妖精です。ひとりひとりの性格や好みに違いがあるのも見どころです」
「マグニョンは、鹿児島市に住む皆さん、鹿児島市を愛する皆さんとの交流を通して、ここまで育ってきました。これから、日本中・世界中のもっと多くの方々とつながり、キャラクターだけでなく、キャラクターをきっかけに、マグマシティ鹿児島市が愛されるよう、マグニョンと一緒にプロモーションに取り組んで参ります」
読者も、鹿児島を訪れ、マグニョンを探してみてはいかがだろう。