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広島の街を「巨大段ボール箱」が走る! ユニークすぎる路面電車に反響→その狙いとは

松葉 純一

松葉 純一

2023.05.18 08:00
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「まずは知名度を上げるために」

「段ボール業界ではコロナによる宅配の増加や加工食品の消費拡大などで、売上げが減少しなかった同業者も多い中で、自動車産業向けの売上げが8割を超える我が社は、大きく売上げを落とした段ボールメーカーでした」(桐原真一郎社長)

新型コロナウイルスによる感染症の流行初期、2020年春から夏にかけて、同社の単月売り上げは前年同期比で、なんと7割も減少。そんな状況下で同社が目指したのが、自動車産業以外の幅広い層の顧客獲得だった。

「自動車以外の幅広いお客様を獲得したいと考え、まずは知名度を上げるためにラッピング電車による広告をいたしました」(桐原真一郎社長)
桐原容器工業所YouTube動画「広島の街を段ボール電車が走る!」より
桐原容器工業所YouTube動画「広島の街を段ボール電車が走る!」より

狙ったのは「広島宮島線で最近見かける『なんかよくわかんないヤツ』」になること。「地味なのが最大の特色かもしれません」と桐原社長は語る。

デザインにあたって特にこだわったのは、路面電車がそのまま段ボールケースに見えるようにすることだった。段ボールの段目がうっすらと見え、紙の色が再現され、光沢がなく、マットな仕上げ。そして、広告であるにもかかわらず、会社の名前と宣伝文句は極力小さくしたという。

桐原容器工業所YouTube動画「広島の街を段ボール電車が走る!」より
桐原容器工業所YouTube動画「広島の街を段ボール電車が走る!」より

では「段ボールラッピング電車」という広告で、伝えたいことはなんなのか。記者の質問に、桐原社長は次のように述べた。

「何よりも『段ボールという素材に親近感を持ってほしい』ということです。
段ボールは工業製品ですが、どこかオーガニックで地球環境にやさしい優れた素材です。段ボールの温かさを伝えたいと思いました」

ラッピング広告の契約期間は、「とりあえず今年いっぱい」。2024年以降も継続するかどうかは現時点では未定とのこと。

「広告という点ではもう十分役目を果たしてくれたと思うので、あとはまた黙って走ってくれれば良いと思っています」(桐原真一郎社長)

広島県内ではG7サミットの開催を記念して、様々な応援商品が登場したり、関連イベントが開催されたりしている。この機会に「段ボール電車」も見に行ってみては?

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