いずれは医療や救助の現場でも... ChatGPTに鹿児島弁を学ばせた「Jaddo(じゃっど)GPT」に作者が込めた思いとは
「この文章、あの人の地元ではどんなふうに言うんだろう?」
読者の皆さんはそんな疑問を持ったことはないだろうか。「語尾には○○がつく」「△△という単語は□□という」なんて情報は調べればでてくるが、ある文章を自分が生まれ育ったわけではない地域の方言に変換するというのは、結構難しい作業だ。
しかし、AIを使ったチャットサービスがそれを容易にするかもしれない。
今話題のChatGPTに鹿児島弁を学習させて、文章を鹿児島弁に変換させようとチャレンジする人物が、ツイッター上で注目されている。
まずは動画をご覧いただこう。
「今日はいい天気ですね」と入力すると、「きゅはよか天気じゃっどね」と表示される。「こんなことがありました」は「こげなこっあいもした」に。それぞれ、鹿児島弁で言い換えられた言葉が出てきている。
これはAIコピーライティングツールを運営する企業「デジタルレシピ」のCTO・古川渉一(@sho_furu)さんによる2023年4月18日の投稿。
ChatGPTに鹿児島弁を学習させた #JaddoGPT 作ってみました!
とつぶやいている。「じゃっど」とは、鹿児島弁で「そうですね」と相づちを打つ時に使う言葉だ。
現状は動画の公開のみで多くの人々が使える形ではないが、今後、どのように進化していくのか。
Jタウンネット記者は27日、古川さんに「JaddoGPT」の可能性や、鹿児島弁への思いを聞いた。
翻訳機として機能すれば...
古川さんが「JaddoGPT」を開発するきっかけになったのは、鹿児島県を拠点に活躍するタレントの野口たくおさんが11日に投稿したツイートだった。
そして、ChatGPTに単語や文法のルールなどを教え込み、わずか一週間後に動画の状態まで開発したのである。
現状は、標準語を鹿児島弁に変換する機能のみだが、「逆に鹿児島弁を標準語にしたり、またイントネーションも独特なので、読み上げ機能も実装したいです」。
18歳まで鹿児島で育ち、自身も鹿児島弁を使っている古川さんは、「方言が1つの表現方法として後世に残っていってほしい」と思っているという。
そして、一般に向けてのリリースは未定ではあるが、「JaddoGPT」の可能性については......
「鹿児島弁を話す方とコミュニケーションがうまく取れずに困るようなシーン、例えば、医療現場や救助現場などで、ある種の翻訳機として機能してほしいです。限られた人だけではなくて、多くの人に広く行き渡るAIになりたいです」(古川さん)
今後、「JaddoGPT」はどこまで進化するのだろうか。古川さんのチャレンジから目が離せない。