「偶数月だけ路上駐車禁止」って...なんで? 福井県で発見された交通標識の謎を追う
二度の「被災」がきっかけだった?
estisさんは3月17日、福井旅行中に訪れたあわら市の温泉入浴施設「セントピアあわら」付近で話題の標識を発見。 今まで様々な場所を旅行してきたestisさんにとっても、初めて見るものだったという。
Jタウンネットの編集部員があわら温泉に足を運んでみると、たしかに「偶数月」と書かれた標識を発見した。それも複数だ。
そして、「偶数月」の標識がある道の反対側には決まってこんな標識があった。
つまり、このあたりの道では月ごとに路上駐車OKになる場所が変わるのだ。
なぜそんなルールがあるのか。記者が4月19日、あわら市観光協会を取材したところ、標識設置に関わる地域の歴史を教えてくれた。
同協会の事務局長によると、あわら温泉は1948年に福井地震、56年に芦原大火(あわらたいか)に見舞われた。それを教訓に「災害に強い街を作ろう」という街づくりの方針を立て、道路の幅を広げるなどの対応を取ることになった。
すると、元々あった駐車スペースを減らすこととなってしまうのだが、当時は車が普及し始めるころで、やってくる観光客のための駐車場も必要になる。
「その時に警察と相談して今の偶数奇数の路上駐車OKになったと聞いています」(事務局長)
なぜ「偶数月」「奇数月」で分けたのかについては分からないとしつつも、この標識があることで「最低限の秩序や台数は確保されているのではないか」という現状を語った。
福井県警察本部交通規制課にも取材したが、設置当時の資料などが残っていないため、詳細は分からないという。
月ごとに駐車禁止になる側を指定する標識は、同じ福井県内の坂井市や鯖江市、敦賀市にも見られるとのことで、地元民にとっては当たり前すぎて気にもならないのかもしれない。