「新幹線で話しかけてきた隣の席の見知らぬおばさん。途中駅で一度降りたら、席に置いてた私の荷物を...」(東京都・50代男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Kさん(東京都・50代男性)
40年ほど前、Kさんは大学受験のため新潟から大阪まで新幹線で向かった。
途中、弁当を買うため、荷物を席に置いたまま新幹線を途中下車。そのままホームに取り残されてしまって......。
<Kさんの体験談>
40年も前の話。私は大学受験のため、一人で実家のある新潟から大阪まで新幹線で向かいました。
乗り継いで東京から大阪へ。18歳の私は新幹線にも乗りなれていなくて、だいぶ緊張しておりました。
すると、私のおどおどした様子が気になったのかもしれません。隣の席の見知らぬおばさんに声をかけられました。
お腹が減ったので...
「どこまで行くの」
「新大阪まで。受験で」
そんな会話からだいぶ話し込んで、少し緊張が和らいだのを覚えております。
その後、お腹が減ったので弁当を買いに行こうと思い、荷物を座席に置いたまま、一人で新幹線を降りました。
その時の私は新潟のローカル線しか乗ったことがなく、停車時間の長さなど気にしていませんでした。
そして、財布だけをもった私をプラットホームに残し、新幹線は出発してしまったのです。
どこの駅だったかは忘れましたが、新大阪よりもだいぶ手前の駅だったと記憶しています。
新大阪駅で佇んでいたら...
どうすればよいのかわからず、とりあえず次の新幹線で新大阪まで行きました。
荷物は終点まで行くのだろうか? 終点はどこ? 誰かに盗まれていないだろうか?
そんな不安を抱えながら新大阪駅で降り、プラットホームに立ち尽くしました。
すると駅員さんに「ひょっとしてこの荷物は君のものか」と尋ねられたのです。かなり多かった荷物はひとつとしてなくならず、完全な形でそこにありました。
聞くと、1人の女性が荷物をすべて新大阪でおろしてくれて名前も名乗らずその場を立ち去ったそうです。
隣の席でお話しして下さったあの人だと思い、とても感謝しました。ですが、この行為に対しての謝辞を伝える術がないことに、悶々とした気持ちにもなりました。今でも釈然としない気持ちを持ち続けています。
あの時、おいくつくらいだったのか。まだご存命なのか。万が一でもこのエピソードをご存じの方、ご家族の方でもいたらぜひご連絡いただきたく思います。
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